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『ふぇっ』
声を詰まらせ、足がもつれてこけそうになった。慌てて手すりを掴み、ノートン君に向き直った。
ノートン君の顔を恐る恐る見ると、半眼で睨まれた。
『ﾋｪｯ』
「ヒェッ、じゃないんだよ。
ねえ、シバサン。どうして助けてくれなかったの？
僕、困ってたんだけど」
圧がすごい。
『え、えっと……助けに行ったら、私も困るかな。と』
そう呟くと、ぐっと距離を詰められた。
ノートン君の綺麗な睫毛と黒い瞳が至近距離にある。
「好きな人のことって、助けるのが普通じゃないのかな？」
私は絶句した。
いま、ノートン君は何て言った？？
「シバサンって、僕に好意を持ってるんじゃないの？」
『は』
黙れ、小僧。
＿
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