なんでも無い日に探鉱者と買い物に行きました。 ページ6
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こっちへ来てから一週間ほどまで外へ出たがらなかったノートン君だが、私の負担を減らすために料理ぐらいはしたいと良い出した。(目すら合わせてくれなかったのも、最近は合わせてくれるようになった)
別に構わないと言ったのだが、ノートン君が「このまま僕に恩を売り続けてどうするつもり？」とまで言い出したので任せることにした。
『必要な食材があったら買ってきますね。朝のうちに言って頂けたら学校帰りに買ってきますよ』
ノートン君の言葉に私がそう返すと、彼は何かを考えこんだ。それから顔を上げて、まだ何かを悩んでいる様子だったが口を開いた。
「いや、僕が買い物に行くよ。作るくらいなら冷蔵庫？の中身もきちんと把握しておきたいしね」
『……え』
思わず驚きの声が漏れた。
私の言葉にノートン君が何か言いたげにこちらを見た。「文句ある？」とでも言いたげだ。別にノートン君にお金の管理や食材の管理を任せることに不安は無い。どちらかと言えば、彼が外へ出ることに驚いているのだ。
公式リプから見る限り、ノートン君が顔の火傷に対して並々ならぬコンプレックスを抱いているのは明白だ。
「僕が外に出ると君の評判に関わるから、かな」
『いや、むしろ評判は上がります！……じゃなくて、キャンベルさんは外に出たがってなかったじゃないですか』
「……別に、帽子とか深くかぶったら良いかなって」
ノートン君にしては前向き過ぎる意見だ。今日はそういう日なのだろうか。
珍しいなと思いつつ、私は了承することにした。
『じゃあ、近くのスーパーにでも行ってみますか。……キャンベルさん、魔物管理者の衣装を着ていただけますか？』
「ん、これじゃダメ？」
『んーちょっと浮いてしまうかもしれないデス』
そうしてマトモな部類だと思われる衣装に着替えてもらった。
それから2人でスーパーマーケットまで歩いていった。
サスペンダーは外した方が良かったかな？などと、ノートン君に対して送られる視線をみながら思った。
「変？」
『いや、似合ってますよ。多分、普通はあんまり見ない服装だからだと思います』
ノートン君にそう説明し、スーパーマーケット内のお洋服売り場へと向かった。
メンズ服なんて私にはよく分からないが、ノートン君は何を着ても似合いそうだ。ノートン君が好きな服だったら、２、３着は買えますよと伝えた。お金の出どころは、もちろん自分のお小遣いだ。
推しに使うなら後悔はない。
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