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ヤバい。にやけ顔が止まらないぜ!
私は変態よろしく心の中でガッツポーズをした。
「そふぇふぇ?」
目の前には、私の作ったお好み焼きは美味しそうに頬張っているノートン君。ソースが口の端についていて、リスのようなほっぺたがもごもごしている。
かわいい。
今なら、机が割れるんじゃないかと思う程、叩き割りたい衝動に駆られている。
かわいすぎる。
「ん……シバサン?」
大きすぎるひと口を飲み込んだノートン君が、私を睨んでいた。
いや、本人からすれば睨んでいるのではなく、見ているだけなのかもしれないが。
『はい。え、っと……これだ。……荘園からの手紙、でしたね』
「そう」
HPで行えるミニゲームに出てきた招待状ソックリの、年代物じみた封筒だ。
いつの間にかノートン君のポケットにねじ込まれていたらしく、少しだけしわが寄っている。
『……「ノートン・キャンベル殿 今回、荘園からの休暇として貴方を宅配させていただきました。どこへ届くかは当方にも分からず、責任はとりきれません。良い休暇をお過ごしください。 ナイチンゲール、代筆」って……』
ノートン君の封筒を開けて、声に出して読めば、彼の顔色が分かりやすく青くなった。どうやら、休暇とやらに覚えがあったようだ。
私は私でここまで自分勝手な手紙は初めて見たと感心していた。
「……」
『キャンベルさん?』
「おかわり」
私は手紙を横に置き、付きだされたさらに二枚目のお好み焼きを乗せてあげるのだった。
ノートン君は黙って、二枚目のお好み焼きをやけっぱちのように食べ始めた。
(苦労されてますね……は、いらぬ精神不安定値をあげてしまいそう)
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なんでも無い日に探鉱者と買い物に行きました。→←なんでも無い日に探鉱者と事情聴取しました。
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