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36話 ページ37

顔を離してからどれだけの時間が経ったかわからない。
きっと大して時間は過ぎていないのに、とても長い時間経っているかのような感覚。


私とノーマンくんは、一言も話さず、お互いりんごのように真っ赤な顔を隠すこともできず、ただ席に座っていた。


「………っあの…そ、その、本当に、あれでよかったの…?」


ちら、とこちらの様子を伺うように絞り出したような声で問われる。
たった数分前の出来事を思い出すだけでさらに顔が熱くなる私にこんなことを思われるのは心外だろうけど…

顔が真っ赤なノーマンくん、こんなに照れているノーマンくんはレア過ぎる。
…かわいい。


「…あ、嫌だったとかじゃないよ!?嫌だったわけじゃないんだ…けど………あれじゃあ罰じゃなくて、ご褒美になってしまうよ…?」


かぁっと熱くなる顔。
私の顔はりんごよりも赤い気がする。


『…っ、だって…!!ノーマンくんは…いつもずるい、から…

…仕返し、っていうか…!』


ムキになって思わず言い返してからハッとする。
私はとんでもなく恥ずかしいことを口走ってしまった。


目を見開いて私を見つめていたノーマンくんが「っはぁぁぁ…!」とため息を吐き、両手で顔を隠した。
私も自分に何を言ってるんだとため息をつきたいよ…!!


「…Aちゃん。

風邪の時の、告白…のことなんだけど。


今、仕切り直してもう一度…ちゃんと告白してもいい…?」


「お願い」と口元が動いたのが見えた。
私はこくこくと頷いて、頰の赤みが収まってきて落ち着いてきたノーマンくんの顔を正面から見た。

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りお(プロフ) - のまーんくんは、くさ (2021年5月31日 9時) (レス) id: 3c42b7c772 (このIDを非表示/違反報告)
約ネバの壺(?) - ニヤニヤが止まらない辞められなぁい(?)ねぇ、ホントに生まれてきてくれてありがとうっ!ぼくちん(ぇ)感動しちゃった(余計なお世話)最高だぁ、更新復活待つよぉ(無理にとは言いません、自分のペースで投稿してください^^*) (2020年3月17日 22時) (レス) id: b160f4c76e (このIDを非表示/違反報告)
ポップコーン(プロフ) - めっちゃニヤニヤ止まらないんですけど……どうしてくれるんですか。本当にこんな作品書いてくれてありがとうございます。更新復活待ってます!!! (2019年12月22日 2時) (レス) id: e0cba1f570 (このIDを非表示/違反報告)
あんみつ(プロフ) - {*美柑*}さん» コメントありがとうございます!終わりそうな気配を察知しちゃいました…?笑 引き続きお楽しみください!! (2019年9月9日 16時) (レス) id: 1f21d8b5e1 (このIDを非表示/違反報告)
{*美柑*} - もうすぐ終わっちゃいそう…続くよね!?続編っていうか付き合った後のお話も描いてほしいな!?私もノーマンくんとキスしたい………ずるい…夢主ちゃんになりたい……… (2019年9月9日 11時) (レス) id: 44879474c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんみつ | 作成日時:2019年8月17日 22時

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