30話 ページ31
ぱち、と目を開けると目の前はあり得ない光景だった。
『…の、まん、くん…？』
朝と変わらずガラガラな声で絞り出した声は随分と酷い。
まだ夢の中にいるのかと思うくらいだけど、これは多分現実。
ノーマンくんが、寝ている私の頭を撫でている。
「…うん、おはよう、Aちゃん。
起こしちゃったかな、ごめんね。
今日配られたプリントとか、諸々、持ってきたよ。
お母さんは下にいる。Aちゃんを一目でいいから見たいってお願いしたら快く部屋に通してくれたよ。
僕がお願いしたことだから、お母さんを責めないであげてね。」
優しい笑みを浮かべながら淡々と状況説明をしてくれて、やっと落ち着くことができた。
……まって、
「わっ、どうしたの…！？
そんな布団を頭まで被ったら苦しいでしょう！？
…ほら、息苦しくなる前に顔出して？」
『…のーまん、くん…どれくらい、ここに…いた…？』
「…え？…えーと、10分くらい前、かな…？
…どうかしたの？」
ノーマンくんに風邪をうつしてしまう、もちろんその不安もある、けど…それよりも、
『…ね、ねがお…いっぱい、みられた…はずかしい…い、いびきとか、ねごととか、へんなこといってなかった…？』
お母さんを恨む。
無防備で、自分の意識がない状態の私をノーマンくんに見られてたなんて、恥ずかしくて死ねる。
「…っふ、ふふ…！気にするところはそこなんだ…！」
布団越しでノーマンくんがクスクスと笑っているのが聞こえる。
そうして少しすると、ノーマンくんは落ち着いたようで「はぁー」と息を吐いた。
「…うん、ごめんね、デリカシーがなかった。
確かに寝顔は見てたけど、いつもと変わらず可愛い顔だったよ。
いびきもかいてなかったから、大丈夫。」
「可愛い」という言葉にお世辞でも嬉しいと胸が高鳴った。
恐る恐る目だけ布団から出して「ねごとは…？」と聞くとノーマンくんは少し考える素振りを見せてから、
「…僕のことが好きって、そう言ってた。」
と、言い放った。
『…う、うそだ。』
もし本当にそうだったら、恥ずかし過ぎる。
どうしようどうしよう、と頭の中が既にパンクしていた。
「…うん、ごめん、嘘。何も言ってなかったから安心して。焦るAちゃんが可愛くて、からかっちゃった、ごめんね。」
ノーマンくんのその言葉にホッとした。
もう少しでいい。
もう少しでいいから、まだこの気持ちはノーマンくんに知られたくなかった。
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りお(プロフ) - のまーんくんは、くさ (2021年5月31日 9時) (
レス) id: 3c42b7c772 (このIDを非表示/違反報告)
約ネバの壺(?) - ニヤニヤが止まらない辞められなぁい(?)ねぇ、ホントに生まれてきてくれてありがとうっ!ぼくちん(ぇ)感動しちゃった(余計なお世話)最高だぁ、更新復活待つよぉ(無理にとは言いません、自分のペースで投稿してください^^*) (2020年3月17日 22時) (レス) id: b160f4c76e (このIDを非表示/違反報告)
ポップコーン(プロフ) - めっちゃニヤニヤ止まらないんですけど……どうしてくれるんですか。本当にこんな作品書いてくれてありがとうございます。更新復活待ってます！！！ (2019年12月22日 2時) (レス) id: e0cba1f570 (このIDを非表示/違反報告)
あんみつ(プロフ) - ｛*美柑*}さん» コメントありがとうございます！終わりそうな気配を察知しちゃいました…？笑 引き続きお楽しみください！！ (2019年9月9日 16時) (レス) id: 1f21d8b5e1 (このIDを非表示/違反報告)
｛*美柑*} - もうすぐ終わっちゃいそう…続くよね！？続編っていうか付き合った後のお話も描いてほしいな！？私もノーマンくんとキスしたい………ずるい…夢主ちゃんになりたい……… (2019年9月9日 11時) (レス) id: 44879474c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんみつ | 作成日時：2019年8月17日 22時
