どちらにとっても衝撃的 side silver ページ8
「ほんと、昔のことになるとよう笑うなぁ、お前は」
「ちょ、何を……」
唐突にオスマンさんに頭を撫でられた。何故だ。
「いやぁ、ちょっと嫉妬を、な。俺らの城ではそんな顔で笑わへんやろ、だから」
「え、ちょいとストップですオスマンさん」
ふざけながらも悲しそうに表情を歪める彼に、すぐストッんプをかける。驚かれたが驚いているのは俺だ。
いやだってさ、俺の能力は、メインなのは魔法じゃなくて完全記憶能力。それで思えば、彼らの前での表情と、今の表情。なんら変わりが無いはずだ。いや間違いない。作り笑いは殆ど、それもオスマンさんの前でだけはやらないように気をつけていたはずだし、どう思い返したって見つかった記憶もない。
そもそも、普段から外見を偽っているからこそ、仕草や表情なんかは偽らないようにしているのに、そう言われるというのは何か思い違いがあるのではないだろうか、と不安になってしまう。
「俺、普段からこんな感じですよ？」
「えぇ？いやいや、そんなことないで。もっと人形みたいに澄ました顔してることのが多い。それでふざけた言動してるのが多くて無理させてるみたいになる」
「うっそぉ！？何で！？え、ほんとですか！？」
普通の兵士さんとの距離が遠いと思ったら！そりゃ、無表情でクッソふざけた言動の阿呆がいたら俺だって避ける！
何でそんな見え方してるんだ！？……ん？見え方？
「あ……もしかして、“幻視“……？」
「ん？それって確か、見た目地味にするやつやったっけ」
「大体合ってますね」
仮説だが、外見偽っている俺って、もしかして表情も偽ってしまっているんじゃないか、ということを説明した。
「俺は髪と瞳の色だけ変えてると思ってたんですけど、実際は全身に掛かっていて、それが表情なんかすらを偽ってしまっている、かもしれないです」
実際、自分ではよくわからないので、他人の手を借りて検証するしかない。
「ほぉ、ほぉ？あー……あんま見たことないからどんなもんかは分からんけど、要はイメージと効果範囲が違っとる……のか？」
「多分、なんですけどね」
「てことは、普段もそうやって笑ってたんやな」
安心した、とオスマンさんは笑った。
そっか、俺が笑わないから、その分不安にさせてたのか。他の人にもいろいろ思われてそうだぞこれ。
帰ったら、まずは日常的に“幻視“を解く事から始めてみよう。
ま、帰れれば、の話なんだけど。
終わり
ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←距離感にやられそう side os
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 398人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アラバ - めっちゃ好きです。一気に読んでしまいました！更新楽しみに待ってます！頑張ってください！ (2019年2月16日 20時) (
レス) id: 14539d2f3b (このIDを非表示/違反報告)
嶺緒(プロフ) - 更新ゆっくりと待っています。無理をしない程度に更新頑張ってください┏○ (2019年1月19日 14時) (レス) id: 27af552c6a (このIDを非表示/違反報告)
♪nene♪?(プロフ) - 夢主くんの性格とか面白いくて大好きです！更新楽しみにしてます！ (2018年12月24日 8時) (レス) id: 00f03b2f94 (このIDを非表示/違反報告)
ノリトルジア(プロフ) - 貴音さん» コメありがとうございます！前よりも頻度は落ちると思いますが、少しずつ更新して行きますので、気付いた時に見に来ていただければと思います！ (2018年9月26日 6時) (レス) id: 20a5309a5f (このIDを非表示/違反報告)
貴音 - 続編おめでとうございます！次の更新も楽しみにしてます！ (2018年9月25日 16時) (レス) id: 5b8e311500 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ノリトルジア | 作成日時：2018年9月24日 18時
