【はじこい】こいあわせ。２ (ページ7)

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順「合宿所に到着したらまず実力テストを行います。得点順に席を決めるのでそのつもりで。

そして3日目にもう一度実力テストを行います。上位入賞者にはご褒美も用意してますので頑張ってください。」

あっという間に迎えたゴールデンウィーク。
私と匡平くんと美香ちゃんがバスに乗り込むと、順子先生からスケジュール表を渡された。

美香「先生ご褒美って何？」

順「それは後でのお楽しみ」

塾生全員を乗せたバスは合宿所に向けて走り出した。
私たちは3人なので匡平くんと美香ちゃん、私は1人で横の列に座る。

順「ご褒美として1位学習タブレット！2位電子辞書！3位図書カード1万円分！
そしてさらには豪華合格グッズ！本当に滑らない靴下！

そしてそして合格キャンディーイチゴ、メロン、ブドウ、オレンジ！
これを食べたら記憶力がよくなるかも！」

「あれ、あいつっていつもピンク頭と一緒に授業受けてる女じゃね？」

「隣の女に取られたんじゃね」

くすくすと笑い声がするのは匡平くんと美香ちゃんの席の後ろに座る男子二人組。
確か同じ東大志望で勅使河原先生のクラスの人たち。

そりゃもちろん私だって匡平くんと座りたかった。
横目を見ればヘッドホンをつけて音楽を聴いている匡平くんに美香ちゃんが至近距離で近づいて話している。

「まじ可哀そう。だっさ」

私だって。私の方が。
聞こえるたびに悔しくて、唇を嚙み締めた。

美香「ちょっと何？」

後ろを振り返って強気に美香ちゃんが聞き返すと、男子の会話がぴたりと止んだ。
タイミングよく男子の1人の携帯がピロンとなって再びそれぞれの世界に戻る。

美香「別に助けたわけじゃないから。違うことは違うって言いたかっただけだから。」

『ありがとう』

美香ちゃんは照れながら別の方向へ視線を移してしまった。