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伍話 ページ7

竈門くんにたまたま持ち合わせていた饅頭を渡して、縁側に腰を降ろして話すことにした。



竈門くんは申し訳ないと言って受け取ろうとしなかったけれど、無理矢理押しつけた。喜びが抑えきれないんだ、察して。



「あの、改めまして私は霊柱 幽門A。




竈門炭治郎くん、だよね。


これでも私、気配が薄い方だと自負していたのだけれどよく気がついたね……!」



これは是非とも聞いておきたい。今後の私の存在感を上げていく為にも!




「そうですね!昨日の裁判の時と同じ幽門さんの匂いがしたので!」





(…………犬、かな?)




期待していた答えが聞けなかったことに落胆しつつも、話を続ける。



何でも竈門くんは嗅覚が優れていて、匂いで色々なことが分かるらしい。



今後に活かせないのは残念だけど仕方ない。それでも嬉しい。私の中で竈門くんの好感度と犬度は爆上がりである。



「でも、幽門さんは本当に気配を消すのが上手ですね!俺、お館様が声を掛けるまで全く気が付きませんでした」




何かコツでもあるんでしょうか、と瞳を輝かせて聞く竈門くん。



ごめんね竈門くん。消してるわけじゃないんだ、元々薄いんだ。逆に気配を出す方法を聞きたい。



「特にコツとかは……ごめんね、答えられなくて。


しかし本当に竈門くんは努力家だね。さっきも運動してたし。


まだ体調だって万全じゃないだろうし、休んでいたっていいのに。」



「俺は、もっと強くならなきゃダメなんです。前の任務でそれを痛感しました。


結局俺は努力することしか出来ないから、だからやれる事は少しでもやっておきたいんです」




(強いな、この子は)



真っ直ぐな瞳で私を見つめる竈門くんを見て、そう思う。まだ私より年下だと言うのに、私よりも強く、前向きに考えている。



隊律違反をした隊士だというから勝手に脅えて、隠れていた昨日の自分が恥ずかしい。



竈門くんの方に顔を向けて、その赫灼たる瞳を見つめる。



「……竈門、いや、炭治郎くん。



君と禰豆子ちゃんにはこれから、本当にたくさんの困難が待ち受けているだろう。でも、今のように強く真っ直ぐな意志を持って努力を続ければ、きっと乗り越えることが出来る。



昨日はお館様が言ったから、なんて言ったけど、私は心から2人のことを信じるよ」



だから今度禰豆子ちゃんにも会いに行くね、と最後にそう言って笑う。



「は、はい!!」


元気よくそう返した竈門くんにまた頬が緩む。ああもう可愛い。もう一個饅頭あげちゃ――



「何しているんですか、お二人共」



(ひぇ……)

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あぶらげ(プロフ) - 黒豆粉さん» ありがとうございます!更新も遅れてしまいすみません (2019年11月30日 11時) (レス) id: 206dd23a10 (このIDを非表示/違反報告)
あぶらげ(プロフ) - りっつーさん» ありがとうございます! (2019年11月30日 11時) (レス) id: 206dd23a10 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - ナニコレ…好きッッッッッ!!!!、!!!!続きが気になる!!!!!更新頑張ってください!!!!応援しています! (2019年11月24日 18時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
りっつー - ヤバい、好きっす (2019年11月11日 16時) (レス) id: 8fa946d002 (このIDを非表示/違反報告)
あぶらげα(プロフ) - あかさたなさん» ありがとうございます!嬉しいです!! (2019年10月22日 0時) (レス) id: 768a447251 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あぶらげα | 作成日時:2019年9月22日 14時

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