背伸びはいらない。 (ページ4)

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そしてスタスタとやってきた佐竹先輩と仲がいいのであろう雄登お目当ての佐藤先輩が二人一緒にやってきた。

「浮所くん、久しぶり！」

『お久しぶりです。佐竹先輩』

「へぇ～この子が浮所くんか～」

関心して俺の事を見てる佐藤先輩。
佐藤先輩、あの俺じゃなくて横にいる雄登に関心持ってあげて下さい。

『1年の浮所飛貴です』

「Aの友達の佐藤愛未です」

こんな俺らのやり取りを見ても何もしない那須。
羨ましそうに見つめて終わり。
だめだこりゃ。

『あの、佐竹先輩これ。ホントに助かりました！ありがとうございました！』

そう言って借りたお金を返す。

「いいえー」

『じゃ、俺はこれで』

「待って、浮所くん」

引き留められるなんて思わなかったからビックリして振り向くと

「これ、あげる」

そう言って差し出されたのはチョコと飴。

『え？いいんですか？』

「いいよー！那須くん、だよね？君にもあげる！」

そう言って那須には俺みたいに名前を尋ねずにあててくるあたり那須の知名度みたいなものを思い知らさせる。

「え！いいんですか？ありがとうございます！」

「じゃ、二人共部活頑張ってね！」

『はい！ありがとうございます！』

多分、ここで終われば何も無かった。

あの時偶然出くわさなければ、俺は先輩に恋に落ちたりする事はなかっただろう。