背伸びはいらない。 (ページ3)

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『那須、ついてくる？』

「え？どこに？」

『2組、行く？』

「やだよ。めんどくせー」

『2年なんだけど。2組でも』

「2年！？えっ！待って、佐藤先輩いるじゃん！なあ、直樹先輩に会いに行くの？」

『や。確か佐竹先輩っていう女の先輩。綺麗な女の先輩だったな～』

「はあ！？ちょ、お前佐竹先輩ってあのバレー部の！？」

雄登が興奮気に聞いてくる。
食いつくと思ったよ。
2年2組ってだけで。

『俺、名前しか知らないんだけど。ついていく？』

「行かせてください。お願いします！」

『はいはい、行くぞ』

俺らは2組へと道を進める。
一階の一年生にとっては三階の二年生の所へ行くなんてちょっとした憧れ。

「なあ、何で佐竹先輩のとこ行くの？」

『あー、この前お前が佐藤先輩可愛い可愛い言って俺が呆れてジュース買いに行ったじゃん？あの時俺、お金忘れて。それを見た佐竹先輩がお金貸してくれて』

「言われすぎて心当たりある日多いけどだっさ！佐竹先輩優し！」

『心当たりありすぎるなら話しかけにいけよ』

「無理無理！俺なんかが..........」

『じゃ、他の男に取られるの指加えて見てるわけだ』

「そんな訳には.........！！」

焦った顔の雄登。
このままなら完全に赤フラグ。
愛未先輩モテるもんな～

教室の目の前に着く。
や、これはどうする？
変に先輩に冷やかされたくないしな

「あ、飛貴に雄登。どうしたの？」

そう言ってこちらに来てくれたのは幼なじみの直樹先輩と部活の先輩である涼先輩。

『直樹先輩、涼先輩お疲れ様です！あの、佐竹先輩いらっしゃいますか？』

「A？いるけど....え？何どしたの？」

『あの、この前お金借りまして....返そうと思いまして......』

「優しいな～アイツも。おい、A！飛貴が呼んでる」

呼び捨て、なんだ。

二人共。

そんなに佐竹先輩と仲良いんだ。
そして雄登は俺の隣でまた佐藤先輩可愛いとか言っててニヤケが止まってない。
これだけ好きならさっさと行ってこいよ。