GFの最年長 ページ4
中でも断トツの頭脳を持つ天才、ノーマン。
その天才と唯一互角に渡り合える博識で知恵者のレイ。
抜群の運動神経と脅威的学習能力で常に他三人に追随するエマ。
そして何と言っても、右に出る者はいない発想力と何事も見逃さない観察眼を持ったフィッツ。
グレイス＝フィールドハウスでは有名な四人だ。
その中の一人、俺。レイだ。
そんな俺が一番気になっている人物。
───最年長のフィッツだ。
いつもニコニコしているだとか、なんとなく探るような言動をしているなとか、不審な動きは全くない。
エマ達と同じ、"何も知らない食用児"だ。
でも俺は知っている。
ときどき、本当にたまに、稀に。
どこか恐ろしい表情を見せる。憤怒だったりそういう感情じゃない。
顔から表情という表情が抜け落ちる。
今思い返しても恐ろしい。
フィッツはよく顔が変わるヤツだ。
そんなヤツの顔が抜け落ちたら、どう思う？
俺なら震え上がるね。
背後からエマに話しかけられて直ってたけど俺は忘れない。
他にも、気になっている理由はある。
彼は異常に"死"を恐れている。
他の弟妹達は里親に貰われて幸せになれる未来を妄想して幸せな浸っている。
でも、フィッツは違う。
里親に貰われることなんて微塵も考えていなくて、ただ"死ぬのが怖い"と言うばかりだ。
だが兄弟が里親の話を望めばそれに合わせて自分の偽の願望を言うし、楽しそうに話を聞いてくれる。
読めない、食えない、憎めない最年長だった。
どこか抜けているところがあって、
あまり反省していない謝り方だけれど、
何故か許せてしまう。
それもフィッツの人望だろう。
あとはチェスが上手い。
俺たちですらまだママに勝ったことはないのに、フィッツは既にママに何回が勝てている。
そのおかげでチェスが得意なのか、
テストが終わった後や寝る前は一人でチェスをしている。
俺とノーマンが二人でフィッツに挑戦状を投げかけた時がある。
チームを組んで挑んだのだ。
だが結果は惨敗。
そう、惨敗だ。手も足も出なかった。
見ていたエマはフィッツを褒めていたが、あまりに強すぎる。
あの時フィッツはまだ八歳だった。
俺達は七歳。
八歳には相当応じない駒の動かし方だった。
ノーマンは知らないけど、
あれから俺は少しづつフィッツを観察している。
これといって目立つことはないんだけど。
…ま、何があっても俺はこいつらを守るから、なんでもいいんだけどな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 167人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ごまあぶら - いや嬉しすぎて無理なんですけど(？)ま励みになりますほんとありがとうございますぅううう！！ (2020年3月4日 0時) (
レス) id: 01769a283d (このIDを非表示/違反報告)
傀儡様 - いや面白すぎて無理なんですけど(？)ただのらぶらぶちゅっちゅなblじゃなくて所々にbl要素入れるのマジですこいです。これからも頑張ってくださいぃ！！ (2020年3月4日 0時) (レス) id: 4b35f08325 (このIDを非表示/違反報告)
ごまあぶら - まじですか！！ほんとにありがとうございます、頑張ります！！ (2020年3月3日 20時) (レス) id: 01769a283d (このIDを非表示/違反報告)
くずを - 好きです！もっと評価されるべき！次の更新待ってます！ (2020年3月3日 19時) (レス) id: f3d3ee67c0 (このIDを非表示/違反報告)
ごまあぶら - うわぁぁぁ！！ありがとうございます、励みになります！！ (2020年3月1日 22時) (レス) id: 01769a283d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ごまあぶら | 作成日時：2020年2月25日 13時
