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ベッドに入って布団に包まると、ジミン先生との思い出が珍しく静かに流れていった。
JM『ガキのくせにイキってんなよな』
JM『……俺の家、来る?』
JM『っぶないな、バカ』
JM『心配かけんな、ばか』
JM『俺のコに何か用?』
JM『俺はおまえを引き取ったあの日から、いつ誰にバレたって構わないと思ってるよ』
JM『気安く触んな』
JM『……ごめん』
ああほんと、色んなことがあったなーなんて。
今でもジミン先生と過ごした時間は、全てがキラキラと輝いていた。
まだ全てが愛おしくて、涙が出るほど、全てが戻りたい時間だった。
でも、もう先生が私の隣に帰ってくることはない。
私が先生と過ごしたあの家に帰ることもない。
先生が私の人生からいなくなったら、私には何が残るんだろう。
そう考えたとき、なにひとつ浮かばなかったことに驚いた。
先生が煙草を手放せないのと同じように、私も先生に煙草のように依存して、いつのまにか、治療が必要なほど中毒になっていた。
「ジン」
JN「ん?」
ベッドから飛び出してジンの部屋に入ると、ジンはまだ机に向かって勉強していた。
少し驚いたように丸まった目が、私を捉える。
「ナムジュンさんの名刺、持ってるよね」
この数日間、母になれたらとどれだけ思ったことか。
そうしたらジミン先生の想いを独り占めできた。
ジミン先生に、限りなく愛されたのに、って。
でも、
ーーJN「俺みたいに、あの人に縛られて何にもできないような奴には絶対なるな」
もう巻き戻せない。
過去は変えられないし、私の未来にもジミン先生はきっといない。
だから決めた。
「私……もう少し誇れる自分になるよ」
ジミン先生なんかいなくたって、笑って暮らせるくらい強くなる。
いつか先生が、母じゃなくて私を見なかったこと、後悔するように。
「強くなるよ、私」
いつか私が、先生じゃない誰かのことを、本気で愛せるように。
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寧桜(プロフ) - Black_tir/ぶらっくてぃあさん» ぁぁあてぃあさん(勝手にあだ名呼びすみません!)T^T長い間本当に応援していただいてありがとうございました!!最後までドキドキしていただいて、血涙も流していただけたみたいなのでよかったですT^Tぐうたらな作者ですが、これからも応援していただけると嬉しいです (2020年6月7日 23時) (レス) id: dd19acd30f (このIDを非表示/違反報告)
Black_tir/ぶらっくてぃあ(プロフ) - 完結おめでとう御座います、寧桜さん!!ずっと寧桜さんの描くこの物語にドキドキさせられていました、、、!天才、、、!!!最高でした!!!(血涙) (2020年6月7日 21時) (レス) id: 504d08c85e (このIDを非表示/違反報告)
寧桜(プロフ) - ぽんさん» こんなにも長い間待っていただいてすみませんT^T本当にありがとうございます!頑張って完結させますよ〜!! (2020年5月17日 7時) (レス) id: dd19acd30f (このIDを非表示/違反報告)
ぽん(プロフ) - 待ってました!!更新頂きありがとうございます!!これからも応援しています。頑張ってください!! (2020年5月17日 0時) (レス) id: e6fe77fd74 (このIDを非表示/違反報告)
寧桜(プロフ) - ミサモさん» がんばります!T^Tもうしばしお待ちを。 (2020年5月5日 9時) (レス) id: 93c564e2cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:寧桜 | 作成日時:2019年6月27日 16時