22 JM ページ22
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Aから欠席の連絡が来ていない。
そう聞いてHRに向かう俺の心は、ざわついていた。
JM「席つけー、おまえ……ら」
いつものように教卓に出欠表を置いて、顔を上げる。
その空席を確認することがいつのまにか習慣と化していて今日も視線をやるけど、そこはもう空席ではなかった。
JM「……A」
思わず呟いた彼女の名前に、生徒たちが急に静まって俺の顔を見つめる。
怪訝そうな何十もの瞳に、慌てて目を逸らし、平然を装って点呼を始めた。
頭の中から、彼女の顔が離れなかった。
鋭い瞳。
固く結ばれた唇。
少し見ないうちにAはずいぶん大人っぽくなっていて。
俺の知っているAは、もうどこを探してもいない気がした。
JM「オン・A」
HRが終わり、生徒たちが授業の準備を始める。
俺も1時間目の授業があったけど、体は自然とAのいる方へ向かっていた。
「なんですか?……パク先生」
教科書を抱えたAが振り返る。
『パク先生』。
その一言で、彼女からの拒絶を感じるには充分だった。
JM「いや、久しぶりの学校だから大丈夫かな、と思って」
初めて学校でAに話しかけたのも、そういえばHRが終わった後のことだったな、と思い出しながら作り笑いを浮かべる。
あの日Aと目があった瞬間、まるであの頃のユジュを見ているような気分で。
あのときもAは俺のことをキツく睨んで、俺はニヤリと笑ってみせた。
JM「その様子だと、大丈夫そうだね」
強がって、余裕ぶって笑う俺の笑顔は、あのときとちゃんと同じように映ってるだろうか。
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寧桜(プロフ) - Black_tir/ぶらっくてぃあさん» ぁぁあてぃあさん(勝手にあだ名呼びすみません!)T^T長い間本当に応援していただいてありがとうございました!!最後までドキドキしていただいて、血涙も流していただけたみたいなのでよかったですT^Tぐうたらな作者ですが、これからも応援していただけると嬉しいです (2020年6月7日 23時) (レス) id: dd19acd30f (このIDを非表示/違反報告)
Black_tir/ぶらっくてぃあ(プロフ) - 完結おめでとう御座います、寧桜さん!!ずっと寧桜さんの描くこの物語にドキドキさせられていました、、、!天才、、、!!!最高でした!!!(血涙) (2020年6月7日 21時) (レス) id: 504d08c85e (このIDを非表示/違反報告)
寧桜(プロフ) - ぽんさん» こんなにも長い間待っていただいてすみませんT^T本当にありがとうございます!頑張って完結させますよ〜!! (2020年5月17日 7時) (レス) id: dd19acd30f (このIDを非表示/違反報告)
ぽん(プロフ) - 待ってました!!更新頂きありがとうございます!!これからも応援しています。頑張ってください!! (2020年5月17日 0時) (レス) id: e6fe77fd74 (このIDを非表示/違反報告)
寧桜(プロフ) - ミサモさん» がんばります!T^Tもうしばしお待ちを。 (2020年5月5日 9時) (レス) id: 93c564e2cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:寧桜 | 作成日時:2019年6月27日 16時