04 友達でも恋人でもない関係 ページ4
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名前も知らない男の人を家にあげたという意識は、全くなかった。
ただ純粋に、たまたま公園で出会った捨て猫を拾ったような感覚で彼との同棲を始めた。
「おはよ」
YG「……ん」
「朝からそんな煙たいのよく吸えるね」
YG「……るせぇ」
彼の名前はミン・ユンギといった。
私と同い年で、今年で23になる。
「ユンギってちょっと年齢不詳なとこあるよね」
YG「……いきなりなんだよ」
「なんでもないよ、別に」
YG「チゲ作ったけど食う?」
「うん、ありがとう」
YG「ん」
ユンギは私より、早起きだった。
ユンギが来てから、私の毎日は煙草の香りが鼻をかすめるところから始まるようになった気がする。
ユンギは毎朝、キッチンの換気扇の下で煙草を燻らせた。
YG「ん。卵割る?」
「んーん、大丈夫」
YG「……腰、大丈夫か?」
「うん、平気。いただきまーす」
いくら捨て猫といえど、年頃の男女なのだから、そういうことは何度かした。
でも私たちは、お互いにただ快楽を求めるだけで、それ以上のことはなにも望まなかった。
友達でも、恋人でもないこの関係。
少し不純だな、とは思わなくもなかったけれど、私にとってはこの関係値が心地よかった。
「いってきます」
YG「ん。気をつけて」
ユンギは別に、ヒモというわけではない。
家賃は私が少し多めに払っているけれど、光熱費と食費は完全に折半で、家事もほとんどユンギがやってくれていた。
ユンギは携帯を持っていなかったから、一度家から出て鍵を閉められると、彼と連絡を取る術はどこにもない。
だから私は、ユンギが昼間なにをして過ごしているのか、全くと言っていいほど知らなかった。
「ただいまー……」
ただ、私が仕事から帰ってくるときにはユンギも家にいることは確からしく。
YG「……ん」
飼い猫のようだ、なんて頭では思いながらも、いつまでも消えない孤独の匂いに私はずっと不安を抱えていた。
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寧桜(プロフ) - アオイさん» 一気読みだなんて!ありがとうございます(´∀`*) (2020年7月14日 21時) (レス) id: d17dad552a (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - 凄く素敵な作品でイッキ読みしてしまいました!こんないい作品に出会えて良かったです! (2020年7月14日 19時) (レス) id: eff5f40333 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:寧桜 | 作成日時:2020年6月27日 23時