27 避けきれない光 ページ27
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ジンヒョンは俺の言葉にただ頷いて、気がつけば街に駆け出していた。
Aの家を出た夜。
あの日あの家から歩いた道のりは鮮明に覚えていたから、迷うことなどなかった。
胸が弾む。
もしかしたら今度の人生は今までとは違うのかもしれない。
あいつの隣にいても、いいのかもしれない。
そう思うと夜の街を駆け抜けながら、なにか叫びだしたくなるようだった。
『ユンギ！』
Aが俺の名前を呼ぶ声が好きだった。
Aが俺の髪を撫でる手が好きだった。
Aが怒ったときの尖った口が好きで、ぶっきらぼうだけど優しい言葉が好きだった。
YG「……っ」
あいつのアパートまであと1キロもない。
あの崩れかけのボロい階段を上って、インターホンを押して。
ひょこりと覗いたあいつの驚く顔になにを言おう。
YG「……はあ……っはあ……」
ネオン街を過ぎて、車通りの少ない道を走る。
街灯の少ない夜空を見上げると、Aと出会ったあの夜のように星が瞬いていた。
光は届かなくても、きっとそこにいるだろう何千もの星々。
そのときキィーッとアスファルトを擦る聴き慣れないブレーキ音が耳をかすめてハッとする。
首をまわすと、角からあり得ないほどの蛇行運転でこちらに疾走してくるトラックが見えた。
全身の血の気が引いていく。
ライトが頭の中まで白く染めるほど、強い光で照らしていた。
YG「……っ」
避けきれない光に目を瞑りながら、あいつに会ったら「愛してる」と言おうと思った。
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寧桜(プロフ) - アオイさん» 一気読みだなんて！ありがとうございます(´∀｀*) (2020年7月14日 21時) (
レス) id: d17dad552a (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - 凄く素敵な作品でイッキ読みしてしまいました！こんないい作品に出会えて良かったです！ (2020年7月14日 19時) (レス) id: eff5f40333 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寧桜 | 作成日時：2020年6月27日 23時
