17 高層階の人生 ページ17
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Aと最後に飲んだビールは、思っていたより美味くなかった。
JN「ねえユンギヤ」
顔を上げるとそこにはジンヒョンがいて、原稿の文字が光るタブレットを指でコンコンと叩いている。
ガラスのテーブルに置いてある1本のビール瓶は、あの日飲んだあのビールよりも高価なものだった。
JN「そろそろ帰ったら？」
ジンヒョンの言葉に、テーブルの上の瓶を引ったくって飲み干す。
パチパチと喉を刺激する泡が、痛かった。
YG「……あそこは別に俺の家じゃないんで」
声が震えるのがわかる。
きっとジンヒョンにもバレてるだろう。
ガラス窓の向こうに広がる都会の夜景に目をやると、Aが綺麗だと言った俺の髪が映っていた。
JN「……ここ最近のおまえは楽しそうだったよ」
YG「……」
JN「いつもそわそわして、誰かのことを考えてた」
さすがは大手出版社の編集者だ。
都会のど真ん中に建つこんなビルの高層階に住む人生なんて、きっとあいつは想像もできないだろう。
たかが瓶ビール1本で怒るようなAには、無理に決まっている。
俺に言われなければ親の愛にすら気づけないAには、無理だと思う。
YG「……迷惑なら出ていきます」
JN「そうじゃなくてさ、」
YG「俺が悪いんです」
JN「……」
YG「あいつになんか、近づかなければよかった」
自嘲するように笑うと、ジンヒョンの哀しそうな顔が目に入る。
胸が苦しくて、息が止まってしまいそうだった。
ティッシュを差し出されてはじめて、自分が泣いていることに気がついた。
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寧桜(プロフ) - アオイさん» 一気読みだなんて！ありがとうございます(´∀｀*) (2020年7月14日 21時) (
レス) id: d17dad552a (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - 凄く素敵な作品でイッキ読みしてしまいました！こんないい作品に出会えて良かったです！ (2020年7月14日 19時) (レス) id: eff5f40333 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寧桜 | 作成日時：2020年6月27日 23時
