12 乾いた涙の跡 ページ12
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寝室に置いてあったAの携帯を掴んでリビングに戻ると、Aはソファに横たわって眠っていた。
YG「……おい。風邪ひくぞ」
ちょっとやそっと声をかけるだけでは起きそうにないAの顔を覗き込むと、頬に涙の跡が見えて固まった。
JN『泣かせたらダメだよ、彼女のこと』
ジンヒョンの言葉を思い出して、Aに触れかけた手を引っこめる。
Aの手には、俺がいつも吸う煙草が1本握られていた。
「んっ……ユンギ？」
立ち尽くす俺の腕を、遠慮なく掴むAの手。
Aは重たげなまぶたを擦ると、「おかえり」と小さく微笑んだ。
YG「……風邪ひくぞ。こんなとこで寝たら」
「うん。ユンギが勧めてくれた映画が全然面白くなかったから、寝ちゃったの」
YG「あっそ」
眠たいせいか、Aはいつもよりふわふわした喋り方をした。
ソファからなかなか起き上がらない彼女に背を向けて寝室へ歩き出すと、突然背中にやってくる重たい衝撃。
「真っ白だねー、ユンギの髪の毛」
YG「触んな」
俺の背中に飛びついたAは、なにやら楽しそうに俺の髪をいじくった。
やめろと言っても聞かずに鼻歌を歌い出すAに、なぜだか涙がこみ上げる。
「綺麗だね、ユンギの雪みたいな髪の毛」
もうやめてくれ、と心が叫んだ。
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寧桜(プロフ) - アオイさん» 一気読みだなんて！ありがとうございます(´∀｀*) (2020年7月14日 21時) (
レス) id: d17dad552a (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - 凄く素敵な作品でイッキ読みしてしまいました！こんないい作品に出会えて良かったです！ (2020年7月14日 19時) (レス) id: eff5f40333 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寧桜 | 作成日時：2020年6月27日 23時
