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寝室に戻った俺を迎えた彼女は、既にあの白いドレスから、薄紫のネグリジェへと着替えを済ましていた。
“迎えた”といっても、別に俺に声をかけるわけでもなく、俺の方を見やるわけでもない。
ぼんやりと浮かぶ月を見つめたまま、ただ同じ空気を共有するのを拒まないという、それだけのこと。
冷えきった新婚生活を送ることは目に見えていたはずなのに、いざその状況におかれると、腹立たしく、もどかしい。
殺してしまいたいほど憎い女が目の前にいるのに、俺は手を出すこともできず、冷たくあしらわれる。
「…ジンヒョン、生きてたんだね」
唯一の抵抗というのか復讐への第一歩というのか、彼女が俺にすがり、嘆き悲しむ姿を見たくて。
彼女の隣に立って同じように月を見上げ、そんなことを言った。
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作者名：寧桜 | 作成日時：2018年10月22日 19時
