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「…死んだと思ってましたよ、ヒョン」
別に話しかける予定はなかったし、その必要もなかった。
俺とヒョンはもう住んでいる世界が違うし、そもそも目の前の男がヒョンかどうかも定かではない。
でも、俺はどうしてか話しかけずにはいられなくて。
「久しぶりに会ったのに、顔も見せてくれないんですか？」
そっと自分の仮面に手をかけて外すと、乾いた音をたてて地面に落ちた。
その広い肩に触れると、びくりと大きく震えて強張るのを感じる。
覗き込む俺の顔を見て、黒い仮面の向こうの瞳が小さく揺れた。
「ジョングク…」
「久しぶりですね、ジンヒョン。 “あの日” 以来じゃありませんか？」
「…そうだね」
久しぶりの再会なんだから、ヒョンならもっと大げさに喜ぶと思ってたのに。
予想と違った反応に、胸のもやもやが募る。
たわいもない話を二言三言して、特に話すこともなく、すぐさま黙り込んだ。
肩を並べてあの頃のように仲良く話すには、あまりに長い時間が過ぎ去ってしまったんだと思う。
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作者名：寧桜 | 作成日時：2018年10月22日 19時
