44 ページ44
・
それからというもの、私は再び最先端の治療法を探して日々奔走した。
朝から晩まで色々調べて、全国の病院に行っては話をしたり、電話をかけたり。
キムのお母さんの想いを知って、キムを救わなければならないという私の中での使命感がさらに強くなったような気がする。
HS「カンさん」
今日もいつものようにキムに会いに行く途中、病院の廊下で声をかけられた。
振り返るとそこに立っていたのは、キムの主治医のホソク先生。
「先生……どうしたんですか?」
HS「いや、先生がテヒョンくんの治療法を色々探し回ってると聞いたので、少しお話したいなあと思って」
主治医の先生が、保護者でも家族でもない私に声をかけるなんてと不思議に思っていると、ホソク先生はただ、ニコリと笑った。
HS「先生があんまり必死そうだから、お声がけしたんですよ。さあこちらへ」
朗らかな声で言うホソク先生に連れられて、先生の診察室へ向かう。
診察室に入ると、先生は奥の棚から1束の資料を持ってきて、私に渡した。
HS「先生は、国内で受けられる手術や治療法については、もう大方のことは知っているでしょう」
「……これはっ、」
HS「はい。まだ導入されたばかりで著しい実績が確認されているわけではありませんが、アメリカで受けられる最先端手術で、成功すればテヒョンくんの病気は治ります」
「ほんとですかっ……」
HS「はい。でも……」
「でも……?」
ホソク先生が続けた言葉は、あまりに絶望的すぎて。
まるで雨の日が続く雲間に、一瞬だけ射した日の光みたいに。
忘れられないほど輝きながら、次の瞬間には幻のように儚く消えた。
・
299人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
寧桜(プロフ) - ユヅさん» ありがとうございます〜!私もキムには生きてもらいたいですT^T (2020年3月11日 22時) (レス) id: 7af8b90927 (このIDを非表示/違反報告)
ユヅ - すごくドキドキします!!最高なお話ですね!!!テヒョン〜〜!生きろ! (2020年3月11日 16時) (レス) id: 36a4290b8b (このIDを非表示/違反報告)
寧桜(プロフ) - remonedo0130さん» 返信遅くなってしまってすみませんm(._.)mコメントありがとうございます!なんだかもどかしい話になってしまっていて自信がなかったのですが、そう言っていただけて嬉しいです(*´∀`*)これからも頑張りますね〜! (2020年2月3日 8時) (レス) id: c1fd96f5ba (このIDを非表示/違反報告)
remonedo0130(プロフ) - はじめまして(*^^*) お話読ませて頂いてます。こちらのお話とっても好きで続きが毎回気になってしまいます(>_<)これからも楽しみにしております♪ (2020年1月23日 22時) (レス) id: e8e3ac6beb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:寧桜 | 作成日時:2019年12月22日 17時