・ ページ47
紫耀side
2日前のXという男とその雇われ者たちからの襲撃。
正直、あんなことは日常茶飯事だ。
気にしないようにはしているけど、間接的に俺が目的だったと言われれば、そりゃ流石に気にする。
…岸くんの慰められちゃったけど、、、岸くんのくせに。
ちょっと昔の話をするね。
あれは、ORESENとしてギルドを組み始めてすぐくらいのこと。
夜に同じように野宿していて、眠っているところを襲撃された。
俺たちは今ほどには強くはなかったし、眠っていたのもあってジンが大怪我をおったんだ。
ジンが刺されるのを遠くで見ていた俺には、時が止まったように見えて…気づいたらジンは血だらけで倒れていて、みんな軽症とは言えない怪我を負っていて。
その時に誓ったんだ。俺の仲間には絶対、指一本触れさせない。俺が絶対守るって。
真夜中、西海岸風で統一された家具が配置された宿の部屋で、俺は装備を整える。
部屋割りは、いつもじゃんけんで２か３に分かれるんだけど、俺は運よく2人部屋で海人と一緒に。海人は一度寝たら何しても起きないから、部屋を抜け出すには申し訳ないけど最適だ。
愛剣がきちんと背中にあることを確認してからマントのフードを深くかぶって、宿の窓から飛び出した。
目指す場所は迷宮。
ジンと一緒に役場で掲示板を見ていた時に、見つけてしまったXという男からの伝言。
慌てて引き千切ったからジンにばれたかと思ったけど、なんとかごまかせたみたいで良かった…
『今夜、アキレス迷宮地下5階で待っている。一人で来い。誰かに言えば、そいつの命はないと思え。来なかった場合も仲間の命はないと思え X 』
伝言を見た瞬間、全身に鳥肌が立った。
俺らが今夜、ここにたどり着く保証はないし、なんなら道中に小さい町ならいくつかあった。それなのに俺らがここに来たことを知っているということは、監視していたか、そういうスキルを持っているかになる。
また迷宮は階層性になっており、地下に潜っていくほど迷宮の難易度が上がり、通常に迷宮だと地下5階は中級〜上級くらいの階層になる。しかしアキレス迷宮の難易度から考えると上級向けだと思って間違いないだろう。役場の迷宮情報にも地下5階のフロアマップはほとんどが未到達状態だった。
そうなると命はないという言葉も単なる脅しには思えなかった。
俺はその言葉通り、一人で迷宮に向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 164人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「病系」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
和奏♪(プロフ) - ほのぼのさん» ほのぼの様！コメントありがとうございます♪ 長くなりそうですがゆるりとお付き合い下さいませ^^ （やっと返信の仕方が分かりました、、前回返信扱いならずすみませんでした…） (2021年9月21日 19時) (
レス) id: 9ae6574177 (このIDを非表示/違反報告)
ほのぼの(プロフ) - わわまたまた最高なお話ありがとうございます！！ (2021年9月18日 22時) (レス) id: 414fcdeeee (このIDを非表示/違反報告)
のんの(プロフ) - HARU様、コメントありがとうございます♪ リクエストもありがとうございます！！ ご期待に沿えるかわかりませんが、考えてみたいと思います！:) (2021年9月15日 9時) (レス) id: 7fe50d03e5 (このIDを非表示/違反報告)
HARU(プロフ) - コメント失礼します。いつも拝見させて頂いてます。続きも楽しみにしてます！もしよかったらなんですが、紫耀くんがLIVEの直前に鼻血と過呼吸になってしまうお話を書いていただけたら嬉しいです。リクエスト受け付けていない場合は大丈夫です。よろしくお願いします。 (2021年9月12日 22時) (レス) id: 5f47127484 (このIDを非表示/違反報告)
のんの(プロフ) - ほのぼの様、コメントありがとうございます♪ とても嬉しいです！これからもよろしくお願いします：） (2021年9月6日 21時) (レス) id: 7fe50d03e5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：のんの | 作成日時：2021年9月2日 21時
