泡沫

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俺たちは整備された道を外れ、川沿いの一角を休憩場所に決めた。
馬たちも嬉しそうに水を飲んでる。

「よしっ、昼飯だー！！」

俺は、今度は「探知」を川に向かって発動させた。

「ほら、れん、そこ！」
「あ、ちがうって、ジン、そこの岩陰！」

何をしてるかって？
魚つかみだよ！！ 俺の探知で魚の居場所はばっちりだけど(笑)

魚の場所を俺が言って、みんなに場所を指示して捕まえてもらってる。
人数分採れたところで、ジンが取り出したお手製「ライター」で焚火に火をつけ、魚を丸焼きにしていく。

ちなみにジンのお手製っていうのは、ジンのスキル「錬金術」を使って作った道具の事。
俺も詳しくは知らないから今度ジンに教えてもらってくれ！

しばらくするといいにおいが辺りに立ち込め始めた。

「おいひぃ〜〜」
「うまっ！！」
「しみる〜！！」

表現は五者五様だが、みな美味しそうに魚をいただく。

あぁー幸せ！！ やっぱみんなと飯食ってる時間が一番幸せだわ！

すると俺の脳内に描かれる周辺情報に何か違和感を感じた。


ジンside


最近作った「ライター」のおかげで道中でのご飯が格段にレベルアップした。
ちなみにライターは俺のスキル「錬金術」で作った道具。
仕組みはねー、ちょっと難しいんだけど…聞いてくれる？
ORESENの中だと、廉と海人しか俺のスキルの仕組みを正しく理解できてないと思う。(笑)

普通、戦士は魔力を触れている物にしか纏わせることはできなくて、体の一部が離れると魔力も武器から消滅する。
けど俺はその魔力をそのまま道具に保存することができるんだ。そして魔力を放出させたいときに、そう念じる、もしくはきっかけを道具に作って、その引き金をひけば魔力が放出される仕組み。
ライターの場合、もともと着火剤と魔力で作った火種がライターの中に入っていて、スイッチを押せば二つが触れ合い、いつでも火が出るようになってる。

そんな感じかなー？ まぁ「錬金術」はわりと有名なスキルで、使える人も多いんだけど、だいたいは鍛冶師とか薬剤師とかになる人が多くて、実際に前線で戦っている人は少ないらしい。

そんなんこんなでみんなとわいわい言いながら、昼飯を食べていると急に岸くんの顔が険しくなった。

瞬間に、俺たちもワイワイ言いながらも、目つきが変わる。

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