泡沫

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宿の人にお礼を言って、裏にある馬小屋に泊めていたそれぞれの馬にまたがる。
そのころには2人とも目が覚めたみたい。

「あぁー、来年も大会出るって約束しちゃったのになぁ」
「俺もかわい子ちゃんと遊びに行く約束したのに…」

いやいや、お前らのせいやで！！？？
しかも何ちゃっかり町の人と仲良くなってんねん…

盛大にツッコミを入れるが、言葉にしても仕方がないことは長年の付き合いで分かっているので心の中で済ます。

「俺も出てみたかったな…カレー食べたい」

海人あんたもかい！

「もう行くで？ 岸さん道分かる？」
「うーんと、うん、もちろん！」

いやリーダーあんたもしっかりせい！

こんなボケの大渋滞の集団が、巷じゃ最強と呼ばれてるORESENだなんて誰も思わんやろな…(笑)
まぁそこが大好きなんやけど。


なんやこんやで俺たちは岸さんの後に続き、昼前に出発した。



岸side


脳内に描かれる地図に従って、俺たちは森の中を進む。

…脳内に描かれる地図！？
って疑問に思ったそこのあなた！！ 大正解！

これは俺の特殊スキル「探知」の能力。本来は自分の周囲の物や人の配置を知ることができるスキルなんだけど、俺はそれとは別に簡単な地図を視ることができて、進みたい方向を知ることができるんだ。
歴代の探知のスキルを持つ人の書物を見ていても、地図まで視えるのはレアな方らしい。
俺ってすごい！！

まぁ、スキル発動中は他の事に魔力を使えないし、俺よりすごい能力持ちは世の中いっぱいいるんだけどね(笑)

「岸くーん、お腹減った〜」

そうこうしてると後ろから紫耀の声が。
太陽の位置を見ると、出発から3時間ほど経過し、お昼をとっくに過ぎていた。

「そうだな、ここらで休憩するか！」
「「「「よっしゃー！」」」」

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