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廉side
ランプで照らされた足元と前を歩く紫耀の背中を頼りにどんどん前に進んでいく。
それにしてもここの洞窟けっこう寒いな。
俺は片手をポケットに突っ込んで少しでもと暖をとった。
しばらく歩くと、子供一人がギリギリ通れるくらいの隙間が現れ、そこを通り抜けると左右の壁がなくなった。
どうやら少し開けた場所に出たみたいやわ。
すると前を歩く紫耀が急に立ち止まって、ぶつかりかけた。
…ちなみに後ろの海人と岸くんは俺にぶつかってきた。
どんだけくっついて歩いててん((笑)
「うわっ! どうしたん、何かあったん?」
「しっ…」
紫耀が後ろを振り返って、人差し指を口元にあてる。
「何か聞こえない…?」
そう言われて耳を澄ませると…
「フフフーン〜♪」
微かではあるが、低い男の人の歌声のようなものが聞こえてきた。
「ほんまや」
「こ、こ、こ、これが、噂の…?」
「ほんとだったんだね…」
岸さんビビりまくってるけど、海人にいたっては耳をふさいで聞く気もない(笑)
「ちょっとみんな、いったんランプ消せる?」
紫耀の言葉でいっせいにランプを消した俺たち。(海人には肩トントンして教えてあげた)
すると辺りは真っ暗闇に包まれた。
「み、みんなそこにいるよな?!」
「岸くん大丈夫だよ、俺の服掴んどきな」
さすがジン。気遣いのできる男やわ。
海人も俺の服を引っ張る力が一段と強くなった。
なんでランプを消させたんやろ…?
すると暗闇の中に青く光る何かがポツポツと現れ始めた。
「ひ、火の玉?!!」
「いや、たぶん噂の火の玉は、火の玉なんかじゃなくてこの青く光る石のことだったんじゃないかな」
青い光はどんどんと増えていき、次第に光量を増して、洞窟内の様子が見えるようになってきた。
声の反響具合からけっこう広そうやなとは思っていたけど、実際にかなり広い空間が目の前に広がっていた。
目の前には湖が広がり、周囲の壁が青く光り輝いている。その光が湖に反射してとても源生素敵な空間を作り出していた。
「うわ…」
「きれい…」
俺たちは言葉を失ってそのきれいな光景に見入った。海人でさえも目を輝かしている。
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和奏♪(プロフ) - ほのぼのさん» ほのぼの様!コメントありがとうございます♪ 長くなりそうですがゆるりとお付き合い下さいませ^^ (やっと返信の仕方が分かりました、、前回返信扱いならずすみませんでした…) (2021年9月21日 19時) (レス) id: 9ae6574177 (このIDを非表示/違反報告)
ほのぼの(プロフ) - わわまたまた最高なお話ありがとうございます!! (2021年9月18日 22時) (レス) id: 414fcdeeee (このIDを非表示/違反報告)
のんの(プロフ) - HARU様、コメントありがとうございます♪ リクエストもありがとうございます!! ご期待に沿えるかわかりませんが、考えてみたいと思います!:) (2021年9月15日 9時) (レス) id: 7fe50d03e5 (このIDを非表示/違反報告)
HARU(プロフ) - コメント失礼します。いつも拝見させて頂いてます。続きも楽しみにしてます!もしよかったらなんですが、紫耀くんがLIVEの直前に鼻血と過呼吸になってしまうお話を書いていただけたら嬉しいです。リクエスト受け付けていない場合は大丈夫です。よろしくお願いします。 (2021年9月12日 22時) (レス) id: 5f47127484 (このIDを非表示/違反報告)
のんの(プロフ) - ほのぼの様、コメントありがとうございます♪ とても嬉しいです!これからもよろしくお願いします:) (2021年9月6日 21時) (レス) id: 7fe50d03e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のんの | 作成日時:2021年9月2日 21時