この少女、アホ。【呪術廻戦】【狗巻棘】 (ページ29)

今日:3 hit、昨日:7 hit、合計:238,797 hit

あの少女、未完成ページ29

伏黒．

西園寺先輩は一言でいうとアホだ。

それで誰よりも正義感という物が強い。

いつの日か五条先生からこんな話を聞いたことがあった

＊＊＊＊

「Aの術式はさ、まだ未完成なんだよね」

は？

この人は何を言ってるんだ。いきなり。

確かに西園寺先輩は強い。馬鹿強い。

あんな頭しているのにどうして勝てないのか分からないくらい。

なのに、術式が未完成なんて可笑しいだろ。

でもまぁ、この呪術に関してはチート級のこの人が言うなら本当なのかもしれない。

「未完成ってどういう事ですか？」

「Aの術式は強い。だからコントロールが必須なんだ。けどさ、Aって精神年齢低いでしょ？だから、自分の力を１００％出し切ってないんだよね。」

あれでまだ発展途中なのかよ。

化け物か。

「Aは将来僕と同等級の術師になる。でも、上は恐れてるんだ。彼女が幼い故、もしかしたら呪詛師になる危険性は十分。」

「西園寺先輩が・・・？」

あそこまでの善人は見たことない。

それでも自我がないのか

「Aってさ、正義感強いように見えるでしょ？でも、あれは自我じゃないよ、恵。彼女の正義感は幼いころから植えつけられた普通。だからいつどうなるか分からないんんだ」

植えつけられた普通・・・・

「そうなんですか。」

「だから、僕や恵、それに二年達には彼女の自我を僕達の思わせたい正義に向かせないといけない義務がある。彼女の自我が成り立つ日は絶対来るよ。彼女の人生を覆す日が。その日、Aの術式は完成する。」

義務・・・・・

「だから、Aをただのアホだなんて思っちゃいけないよ」

「は！？」

「さっき、初対面であった時アホだって思ったでしょ。で、戦って負けてずっと不思議だったでしょ。どうして負けたのか！」

確かにそうだけど・・・・

「そういうのを本人に言うから嫌われるんですよ」

「え！？僕って嫌われてるの！？ナイスルッキングガイなのに！？」

「それを自分で言う所も」

＊＊＊＊

あぁ、これは西園寺先輩と初めて会った日の事だった。