どうしようもないディスターブ『勇次郎』 ページ21
｢一目惚れ……ですか｣
｢そう、君だよ｣
私に……一目惚れ？
そんなこと信じられるわけが無い
黙すために咄嗟についた嘘に聞こえる
｢信じられない？だよね。先刻会ったばかりのしかも普通に生きてちゃ中々できない傷を負って｣
目が、正気のそれではなかった
彼の支配する世界にいつの間にか取り込まれてしまったのだろうか
｢しかも通話、聞いちゃったよね。ごめんね怖かったね｣
しっかりと優しく、しっかりとつなぎ止められるよう
｢……君は…怪しい男は……嫌い？｣
……離れられないように
｢……染谷さんの事、まだ、何も知りません……｣
絞り出すのはこれが限界だった
貴方の顔が見れない。どんな顔しているのかなんて見れなかった、見たくなかった
染谷さんはフフ、と笑うと私を腕の中に閉じ込めた
どうすればいいのだろう。この魔法から、誰か解き放って
｢金をせびる気なんか毛頭ないに決まってるでしょ。……まあ、君のこと組み敷いて、メチャクチャに荒らしてしまいたいとは思ってるけど……ふふ｣
｢染谷さん……！｣
｢……愛してる、A｣
｢染谷、さ｣
降り注ぐ濃厚なキス
何度も角度を変え、奥へ奥へと全てを貪るように口内をかきまわしていく
｢ん……ん、ん……！｣
｢……ん…可愛い｣
ぞわぞわと背筋を冷たい手でなぞられる感覚がした
ベッドに押し倒され、ひたすらに唇への刺激が続く
口内を舌でつつかれる度に変な声が漏れ、羞恥心もすでに限界だった
染谷さんのキスは矢張り手馴れているように、ゆっくり、ゆっくりと体の奥底まで快感を刻みつける
どうしようかなんて考えられなかった
ただただそのキスが気持ちよくて、もうなにも分からなかった
その快感から逃げようと体をよじると腕を捕まれ、上にくくられる
夜はまだ、深かった
ーーーーーーーーー
瞼に光を感じて、ゆっくりと目を開ける
あの温もりは消え失せ、残り香のように部屋のドアが開け放たれていた
彼の体温を追いかけて、追いかけて
ベッドから落ちるように出る
どうしてか全身が重くて仕方がなかった
ドアを開け、廊下を見回しても彼の姿は見当たらない
もしかして、昨日の出来事は全て夢で彼は夢の住民なのではないかと思った
嫌に消えない体の熱を疼きを、抱えてその場にしゃがみこむ
彼に敏感になっていた、だからだろうか
外から聞こえる階段の音に
私は体の重みを忘れて一目散へ玄関へと駆け出した
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메이 - 全部読みました.ᐟ とっても面白かったです.ᐟ これからも頑張ってくださいね𓂂𓏸 (2022年12月9日 15時) (
レス) @page49 id: 36c85dd659 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ(プロフ) - じゃすみんちゃさん» ひえ！全部！ありがとうございます嬉しいです(TT)更新頑張ります応援嬉しいです！！ (2022年1月23日 2時) (レス) id: babb449235 (このIDを非表示/違反報告)
じゃすみんちゃ(プロフ) - 123全て楽しく読ませていただきました！最高です！次の更新も楽しみにしてます！頑張ってください！ (2021年11月3日 16時) (レス) @page48 id: 97e0b8497b (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ(プロフ) - 翔花さん» 全部読んでくださったのですか！？ありがとうございます！！コメントも頂けて作者は幸せです！ (2021年8月12日 18時) (レス) id: babb449235 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ(プロフ) - 名前さん» 神......なんどありがたいお言葉……わたしよりもあなた様が神です……ありがたや… (2021年8月12日 17時) (レス) id: babb449235 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソーダ | 作者ホームページ：
作成日時：2019年8月30日 2時
