自分以外に一番大切な人。3 (ページ33)

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A『…分かってたの？』

紫耀「…いや、薄々ね…笑」

怒らなかった、
何も問い詰めもしない紫耀くんに対して
私は…

どこでどう間違えたんだろうと
必死に考えた。

紫耀くんとなら
幸せになれる気がしていた
紫耀くんとなら
なんでも乗り越えられる
普通の夫婦になれるような気がした。

浮気された時も
今も…紫耀くんが悪いんじゃない。

幼い昔の恋愛に
ズルズルと引きづっていた
私が悪いんだ。
そう初めて気がついた。

紫耀「…廉の子でもAと俺の子に変わりないよ」

A『…紫耀くん、』

紫耀「一緒に育てよ？」

違うの、そうじゃないの
私はもう紫耀くんに甘えちゃいけないの。

このままこの子を産んで
母親になっても母親じゃない。

A『…無理だよ、もう紫耀くんの幸せ奪いたくない』

紫耀「…俺の幸せはお前とじゃなきゃ成り立たないよ」

紫耀くんも廉も…同じこと言ってくれる
けど、どこかで終止符を打たないと…

A『…あの日から私たちは終わってたんだよ。誰が悪いとかじゃなくて…お互いちゃんと向き合ってなかった。』

紫耀「…お前が居ない人生なんて生きていても意味ないんだよ」

A『紫耀くん…』

紫耀「…Aと居たいんだ」

紫耀くん
もう私を愛すのはやめて
こんな私、紫耀くんに相応しくないよ…

A『…ごめんね、でも私…強くなりたい。紫耀くんに甘えてばっかじゃ立派な母親になんかなれない』

紫耀「わかった、…俺のワガママ最後にきいてくれる？」

A『…うん』

紫耀「出産が終わって落ち着くまで…ここに居て…お願い」

A『…わかった。』