自分以外に一番大切な人。3 (ページ4)

今日:22 hit、昨日:2 hit、合計:343,902 hit

70 紫耀side ページ4

ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ

インターホンの音で目が覚めた。

紫耀「…誰だよ」

眠い体を無理やり起こして
ドアを開けに行った

ガチャ

紫耀「…はい」

「おはよ。すげぇ顔だな笑」

紫耀「お前かよ…神」

朝からなんだよと思いながらも
1人で出勤するよりかは
神といる方が寂しくなかった

神「今起きたの？早くしないと遅刻だよ？」

紫耀「うわぁ…行きたくねぇ」

神「何学生みたいな事言ってんだよ。ほら早く」

そう言われて
会社にいく準備を手伝ってくれた。

神｢お前さ…｣

あぁ、見つけたんだな

神「何でこんなこと…」

紫耀「…愛してるからだよ」

神「愛してるから離婚届にサインしたのか？」

そう、俺は離婚届にサインをした。

Aの笑顔を守りたくて…

海人くんがハメたにしろ
浮気したのは俺だから

海人くんの事Aに言うつもりも無い
海人くんは海人くんなりに
何か思うことがあって
行動に出たんだと思うから

神「…紫耀、」

紫耀「…本当に愛してるんだ、Aが笑って居てくれるだけで毎日幸せだった」

神「…だったらそばに居るべきじゃないの？お前が浮気に走った理由も話せばいいじゃん、…俺はお前がAちゃんをどんだけ愛してるかしってる」

紫耀「…今、俺のせいであいつは俺に笑顔を見せなくなった…これ以上傷つけたくないんだ」

神「傷つけたくないのは自分だろ？お前が守りたいのは自分自身だろ。何逃げてんだよ、…愛してるならぶつかってでも話し合えばいいだろ。お前が逃げるからAちゃんも逃げてんだよ、…向き合えよ。」

そう言われても、子供の事を話すと
あいつは耐えれなくなる。

だからと言って日記の事を正直に話す訳にも
いかない。

紫耀「…日記の事は話せない」

神「…もうそろそろいいだろ…お前何を見たんだよ」

これが、俺じゃなく廉の事なら
Aは許したんだろうか

紫耀「…廉が、"自分以外に一番大切な人"
そう書いてた」

1年前、俺はAの
5年日記を見た。

その日記は、廉と付き合ってる間に書かれた日記から俺と結婚するまでに書かれた日記だった。

最後のページの最後の1行に

" 廉は、自分以外に一番大切な人 "

そう書いてあった。