自分以外に一番大切な人。2 (ページ10)

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廉が紫耀くんの所に話に行ってる間
海ちゃんに、電話を掛けた

A『…海ちゃん？』

「俺、…無視されてたんじゃないの？」

海ちゃん寂しそうな声で
電話越しでも分かるぐらい少し震えてる
ような気がした

A『ﾌﾌ…ごめんね、急に帰ったりして』

「ううん、廉から倒れたってついさっき聞いたよ…大丈夫？」

A『うん、もう今から帰るから大丈夫だよ』

「俺聞いたじゃん？なんか困ってることない？って…なんで言ってくれなかったの？」

A『え？何の話？』

「今日、エナちゃんから聞いたよ…紫耀さんが浮気してるって」

エナはどこまで困らせたら
気が済むんだろう。
海ちゃんまで巻き込む事ないのに…

A『大丈夫、ちゃんと話し合うから』

「…あのね、怒らないできいてね？」

A『ん？』

「俺、結構前から知ってたんだよね…」

A『…なにを？』

「…エナちゃんと紫耀さんの事」

なんで、どうして…
知らなかったのは私だけ？

A『…なんで知ってたの？』

「結構前にエナちゃんと病院の前で会って、泣いてたから聞いたの…その時は紫耀さんって知らなかったんだけど、今日初めてきいてわかった…」

病院…
海ちゃんがそれ以上何も言わなくても
なんで病院にいたのか
なんで泣いていたのかは
想像がつく

A『…話してくれてありがとう、ちゃんとご飯たべるんだよ？勉強もして、ね？』

「うん…黙っててごめんね、」

A『いいから…また連絡するね？』

「うん…またね、」

海ちゃんと電話を切ったあと
私は、自分だけが知らなかった事
大切に思う人達だけが知っていた事を知って
辛くて悲しくて…
泣きたくなる気持ちを抑えるので必死だった。

紫耀くんとエナのせいで
私の人生、めちゃくちゃだ