自分以外に一番大切な人。 (ページ5)

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遅い。

すごく遅い

時計を見るともう21時を指していた

A『…なんでこんな遅いの…』

いつも通り夜ご飯を作って
もう3時間も待っている

さすがに遅すぎると思って
連絡を入れてみた

Aねぇ、残業?

平野先生ごめん!今日飲み会!

A『…そんな事聞いてないよ、』

A聞いてないんだけど、

平野先生ごめん!帰る時電話するね

じゃぁこのご飯どうするのさ
もぅ…

紫耀くんはいつもそう
"ご飯いらない"とか"遅くなる"
とかは一切連絡がない

A『いつもこうじゃん…』

作ったご飯を
ゴミ箱に捨てながら
ある事を思い出した。

A『…USB』

USBを棚から取り出して
パソコンの前に座った

でも

A『…電源はどこですか…』

そう、私はパソコンの使い方すら
知らない

A『…どうしよ、』

なんとか試行錯誤しながら
パソコンと戦ったけど、結局
1時間たっても電源すら入れる事が出来なかった

A『…海ちゃんならわかるかな…でももう22時すぎてるし、』

すると玄関のドアの音と共に
「ただいまー」と言う声がきこえて
慌ててUSBをポッケに隠した

A『…！早かったね、』

紫耀「なんで電話でないの、？」

A『え？電話してくれたの？』

紫耀「…したよ、電源入ってなかったけど」

急いでスマホをみると
充電切れだった

A『ほんとだ…ごめんね？』

紫耀「なにしてたの？」