自分以外に一番大切な人。 (ページ2)

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ｼﾞﾘﾘﾘﾘ…

A『しょーお！起きて！会社行く時間だよ！』

紫耀「…ん、やだ…あと3分」

平野家の朝は
紫耀くんのあと3分の一言から始まる

A『いつもそお言って3分で起きたためし無いでしょ！』

紫耀「…んーやだ。まだ眠い…」

A『…紫耀くーん…』

紫耀「ﾌ…なにその可愛い声」

A『わっ…』

あともうひとつあった。

手を引っ張られて
紫耀くんの上に倒れて
ぎゅうってするのがもうひとつの
朝の日課…

A『…紫耀くん、本当に遅刻だよ？』

紫耀「このまま抱きたい…」

A『ばか、ご飯冷めちゃうよ？』

紫耀「ﾌﾌ…Aいい匂い」

A『お願いだから起きて！朝ごはん食べて！スーツ着て！お仕事行く！わかった？』

紫耀「…はい」

毎朝私に怒られてだるそうに起きて
歯を磨いてる
歯を磨いてる時は不機嫌だったのに
ご飯を食べる時は
目をキラキラさせながら
"おいしい"って言ってくれるから

これだから
紫耀くんのお嫁さんを何があってもやめれない
この愛しい紫耀くんが幸せそうに
ご飯を食べてる姿は
誰にも取られたくない

紫耀「ご馳走様でした！」

A『ﾌﾌ…お弁当包むから着替えたら声かけてね？』

紫耀「今日のおかず何？」

まだ何も言ってないのに
尻尾を振ってるワンちゃんみたいに
ウキウキしながら私にお弁当の
おかずを毎朝こうやって聞いてくる

A『ﾌﾌ…ナイショっ。でも今日はハンバーグお弁当サイズで作ったから入れてるよ？』

紫耀「やった！早く昼休みにならないかなぁ」

A『お弁当が食べたいなら、早く着替えて準備する！笑』

紫耀「はーいっ」

ウキウキしながらスーツに着替えてる姿を
見ながら毎朝私はお弁当を包んで
玄関先でお見送りをしてお弁当を渡す

紫耀「いってきますのチューは？」

A『ﾌﾌ…はいどーぞ』

私が目を瞑って待っていると
1回2回と行ってきますのキスをしてくれる

A『遅れちゃうよ笑』

紫耀「今日も愛してるよ？いってきまーす！」

A『いってらっしゃい！』

今日も私たち夫婦の一日がはじまる