そのゆくロマンス部ｰ2ｰ

ハロウィン〜酒桜さんの場合〜 ページ27

｢やっぱやめようかなぁ｣

ドンキで買った衣装を見て呟いた

健太郎が帰ってくる前に着替えようと思い
取り出した衣装
定番の警察の衣装だ

不安に思いつつも衣装を着てみた
思いのほかスカートの丈が短い
下着が見えないか心配するレベルだ

｢やっぱりやめよう！｣

健太郎が帰ってくる前に脱がないと…
だが時すでに遅し

｢ただいま〜｣

玄関から健太郎の声が聞こえて焦る
近くにあった健太郎のパーカーを着たと同時に
リビングのドアが開く

｢どうしたの、俺のパーカーなんか着て。それ下履いてる？｣

怪訝そうに私を見つめる

｢今日寒いし…下は履いてる｣

超ミニスカートだけど…

｢なんてな、ポリスウーマン？｣

健太郎はテーブルに置きっぱなしだった警察帽を被った
パーカーを着る時に咄嗟に外したのを忘れていた

｢パーカー脱いでもらおうか｣

嫌々パーカーを脱ぐ
腕に冷たい空気が触れて震えてしまった

健太郎に帽子を被らされる

｢可愛いじゃん、似合ってるよ｣
｢ありがとう…｣
｢スカート短すぎるけどな｣

健太郎に指摘されスカートを下に下げようとする
後ろのスカートが上がって下着が見えそう
スカートの長さはもう諦めよう

｢あぁもう！トリックオアトリート！お菓子頂戴！｣

付属品のおもちゃの拳銃を健太郎に向けた

｢ノッてるところ悪いんだけど、お菓子用意してないよ？｣
｢え？｣
｢でもイタズラされたくないからさ…｣

健太郎は私の腰に手を回して自分に引き寄せる
少し身構えていたがそんなのは関係なく
そのまま濃厚なキスをされた

｢これお菓子ね｣

満足そうに笑う健太郎に惚れ惚れしてしまう

お菓子より美味しいものを貰ってしまったみたいだ

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