そのゆくロマンス部ｰ2ｰ

悪酔い〜酒桜さんの場合〜 ページ21

酒桜side

｢失礼しますよ…｣

小声で挨拶し、靴を脱いで中に入る
おぶっている泉を降ろしため息をついた

俺よりもひと月早く20歳になった泉

俺が20歳になる前に自分の限界を知りたいと
居酒屋で潰れるまで飲んだ
俺のお金で

ソファに寝かせた泉にブランケットをかけて
おいとまさせていただこうと立ち上がった

｢けんたろ〜？｣

寝てたと思ってたがちゃんと目は覚めていたようだ

｢気持ち悪い？大丈夫？｣
｢だいじょうぶだぞぉ〜｣

大丈夫ではなさそだけど…
背中をさすろうとソファに座る

首に腕が回されて体に柔らかい感触を覚えた

｢泉！？離れろって！｣
｢なんでぇ？けんたろ〜私のこと嫌いになったの？｣

そんなうるうるした目で見ないで欲しいし
お酒のせいか体が火照ってて妙に色っぽい
理性が保てなくなりそうで怖くなる

｢嫌いじゃないけど！｣
｢じゃあチューしよ｣

目を閉じて唇を尖らせる
少々躊躇いつつ泉の頬に手を添えた

キスだけ…キスだけだから…
なんてのは気休めにもならない

結局、俺は泉のキスに溺れて
止められなくなってしまうんだ

唇を離して手も離す
泉が俺の胸に倒れ込んできた

｢寝てるのか？｣

お酒ってのは怖いんだなぁ…
こんな美人をあんなに変えてしまうんだから

｢可愛いなぁ…泉は｣

髪を撫でながら満足気に呟いた

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