そのゆっくり、こいをする。5

ビックニュース ページ46

優哉side

覚束無い足取りで家に帰った
泉がいることを信じて

でもいなかった
鈴々は泉に何をしたのか
早く知りたい

あんなこと言われといてまだ泉のことを心配してる
俺はそれほど泉が好きなんだ
鈴々なんかに恋路を邪魔されてる暇なんてない

俺がもっと泉に正直だったらこんなことにはならなかった
俺のせいなんだから
その落とし前は自分でつけないと

俺の意思に反して時間は過ぎていく
一向に鈴々から連絡はない

着替えて家を出た
あいつから連絡がないのなら自分で探せばいいだろうと思い立ったんだ

30分ほど探し回った時だろうか
待ち望んでいた電話が来た

｢もしもし！泉は！｣
『落ち着いてくださいよぉ…大丈夫ですよ、シャツを脱がされるだけで済んだんで』

シャツを脱がされた？

｢お前…泉に何を！｣
『襲われて貰ったんです』

冷静に言い放つ鈴々の言葉のせいで頭に血が上る

『これから優哉さんの家行くんで、戻っておいてくださいね』
｢お前…ただで帰れると思うなよ？｣
『えぇ〜やだぁ、襲われるんですか？』
｢馬鹿言ってんじゃねぇぞ｣

俺はキレてた
自分でも制御出来ないくらいに

『そんなこと言ってられないですよ？私、すごいビックニュース手に入れちゃったんですから』

じゃあ、と電話は切れた

泉を見つけたい
けれど俺はビックニュースとやらを知りたいという衝動に駆られた

もしかしたら泉は家に帰ってるかもしれない
鈴々と泉が鉢合わせたらどうなるか分からない
俺が泉を守ってやらないといけない

上がる息を整え家へと向かった

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