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第三十章の嘘 ページ30

彼女の頬を流れる水を、スッと人差し指で掬い取る。


そう、彼女は泣いていた。
十数分前の小生と同じく泣いていた。

驚いたように目を見開いた彼女が、恐る恐る口を開く。



「...怒って、ないんですか...?」



涙目で、さらに上目遣い気味に聞いてくる彼女に、ふんわりと微笑みかけて答える。



「小生も八つ当たりならちょうど今日してしまいましたからね。
 それに、言ったではないですか、【おあいこ】だと。」
「...えっ、それって泣いてることじゃないんですか!?」


真っ赤な顔をして反発してくる。
彼女に赤面を見るのはこれで何回目だろうか。


「泣いてる?はて、小生は貴女に涙など見せた記憶はありませんが。」
「な、泣いてたじゃないですか!さっき!」


ブンブン手を振り回しながら言う彼女。
まるで子供のようで、
彼女にしては珍しくて、
思わず、からかいたくなる。


「ほお...どこに証拠が?」
「しょっ...!そ、それなら夢野先生も私が泣いていたという証拠はあるのですか!?」

思わず立ち上がり、胸の前で手を組みながら女王様のように言う彼女。

その腫れている目が何よりもの証拠だと言いたいが、まあ黙っておこう。



「実は小生、小説のアイディアのために日頃からボイスレコーダーを持ち歩いておりまして。今の話、全て録音していたんですよ。」
「う、嘘っ...!?」



顔をさらに赤くする彼女を見て、思わず口角が上がる。





この時を、待っていた。









「そう、嘘ですよ。」

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桜月花(プロフ) - チックルさん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません!ありがとうございます!私の書き方はどうにもクセがあるようなので、そう言っていただけるのは本当に励みになります!ぜひ、他作にも目を通していただき、感想をいただければ幸いです!これからもよろしくお願いします! (2019年4月7日 17時) (レス) id: 8714acda80 (このIDを非表示/違反報告)
チックル - (文字数の問題で上にきました。すみません汗)これからもたくさんお話書いていってほしいです!頑張って下さい。応援しています。 (2019年4月1日 9時) (レス) id: 22d491e084 (このIDを非表示/違反報告)
チックル - 初めまして。お話読ませていただきました!今朝読み始めたのですが、続きが気になりすぎて一気に最終話まで読んでしまいました…!こういう物語性のある創作小説が大好きですし(個人的に)話の運び方も上手だなぁと思いました(*'▽'*) (2019年4月1日 9時) (レス) id: 22d491e084 (このIDを非表示/違反報告)
桜月花(プロフ) - CareeeNさん» あ、あ、ありがとうございます!!()語彙力消失するほどまで言っていただけて嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2019年3月31日 22時) (レス) id: ab99525799 (このIDを非表示/違反報告)
CareeeN(プロフ) - これは…凄いです!!!!神ですかー!!?ほんとに凄い…←語彙力無くてすみません (2019年3月29日 11時) (レス) id: 79b4e93acf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜月花 | 作成日時:2019年1月5日 21時

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