夜のヨコハマを司る第4の組織〜女らしくない僕とサイコパスな私〜

とある川辺で出会った少年 ページ2

〈暦川side〉


僕らは川沿いを歩いている

『なぁ、国木田。□殺マニアはどの位流れただろうか…』


「知らん！あの唐変木のことなど。軍警からの依頼が入っているというのに─ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ」

国木田、ご愁傷さま……

『しかし、太宰は此処がいいからなぁ』
といいながら、頭をつついた

「それをもっとまともに使えばよいものを……取り敢えず、手分けするか。Aは、もう少し下流の方から探せ」

『了解』







、








十数分後…


僕はビルの屋上から川辺を眺めていた

ビルの屋上をつたって太宰を探していたら仲良く(？)喧嘩している太宰と国木田が見えたのだ

傍には白髪の少年が座っている
『なるほど、どうやら少年に回収させてしまったようだな』
申し訳ない……

300メートルか、この位なら肉眼で、口の動きで見えるな

なになに
『〈国木田君にお茶漬けを30杯おごらせる〉？』

……おい、太宰は何をやっているんだよ
っていうか、食えるのか!?

まぁ、僕も何か奢ってもらうためにいい茶漬けの食えるここから近い日本料理店で待ち伏せるか←









、








〈敦side〉
僕は、太宰と国木田さんが口論をしているのを眺めていた
──首吊り健康法なんて僕でも信じないのに

僕の隣には探偵社の暦川さんという、女の人が座っている
「太宰、国木田で遊ぶのは程々にしとくんだ」

この人達はあの武装探偵社の調査員らしい

正直に言って暦川さん以外は疑わしい……







唯一まともに見えるこの人との出会いは十分程前に遡る

ガラガラｯ
ドアの開く音が響く

僕は、太宰さん達に連れられメニューに茶漬けのある日本料理店に来ていた

綺麗な店で出入口に近い4人用のテーブル席で1人抹茶を飲んでいる女性が見えた。


女性にしては低めの落ち着いた声でその人から話しかけられた
「やぁ、"敦"だったよな？こんにちは。太宰が迷惑をかけたな」

!?なんで僕の名前を
「そんなに驚かなくてもいいだろう……川辺でのやり取りを眺めていただけだ。それにしても国木田、僕を置いて夕食とは……」
一体何処にいたんだろう

「まぁ、言わんでも来るから声をかけんかっただけだ」

『えっと、国木田さん。この人は？』

「暦川A、同僚だ。仕事の腕前はいい。何かあったらこんな唐変木より暦を頼っとけ」
「ちょっと、酷くない！？国木田君」

「宜しくな、敦」
手を差し伸べるその姿は、
とても頼もしい探偵そのものだった

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