検索窓
今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:30,507 hit

ページ8

コナンの言葉にヒロキが微笑む。

「諸星君の体を借りてゲームに潜り込んだのは、1度くらい友達と遊びたかったからなんだ。いつもいつも、仕事ばかりしていたから。ごめんよ、怖い目に合わせて。でも僕、すっごく楽しかった。ありがとう、お姉さん。」

ヒロキがAを見てお礼を言った。Aは理由を理解して、本当のことを誰にも言わなかったからだ。そのおかげで、彼はゲームを最後まで続けることが出来た。

「それに、羨ましかった。離れていても、心が通じあっている君とお父さんが……君のお父さんが、僕のお父さんの仇を取ってくれたんだ。ありがとう。そろそろ、お別れだ。」

ヒロキはそう言うと、ステージに続くゲートがあった場所を指さす。ゲーム開始時と同じようなゲートが現れた。ゲートへとコナンとAが向かう。

「ヒロキくんの心は、いつまでもノアズアークの中で生き続けるんだろう?」

途中で振り返り、そう問いかけたコナンに対してヒロキが首を横に振る。

「僕のようなコンピュータが生きていると、大人達が悪いことに利用してしまう。人工頭脳なんて、まだ生まれちゃいけなかったんだ。」

悲しげな目をして上を向くヒロキに、2人は何も言えずに立ち尽くす。

「さ、君達は君達の世界に戻るといい。目が覚めても、皆にこれだけは知っていて欲しい。現実の人生は、ゲームのように簡単じゃないってね。」

「お父さんに会えるといいね。」

ゲートに入る直前、コナンが振り返り言った。それに続いてAが手を振る。

「じゃあね。私も楽しかったよ!」

「さよなら……」

ヒロキは2人がゲートを通り抜けたのを見届け、そう言って目を閉じた。

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (38 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
102人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - ゆきなさん» ありがとうございます!!そうなんですね、異世界かるてっと僕も観てました!是非アクシズ教へ入信しm((これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2020年9月29日 18時) (レス) id: 2892050d09 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 松田さん推しです!このすばは異世界カルテットで知ってるのですが推しは決まってないですこれからも無理せず頑張ってください! (2020年9月27日 19時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - あやめさん» ありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです!! (2020年8月27日 11時) (レス) id: 2892050d09 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - めちゃくちゃ好みの作品でした!!!これからもがんばってください!!応援します!更新楽しみに待ってます! (2020年8月26日 21時) (レス) id: 2cb5bf810d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:透、恋 | 作成日時:2020年5月6日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。