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「ところで、私になんの用かな?」
「ジャック・ザ・リッパーは、ロンドンを恐怖の都に陥れるために貴方が放ったのだろう?」
Aがそう聞くと、モリアーティ教授はどこか懐かしむように語り出した。
「当たらずとも遠からず……ジャック・ザ・リッパーは、貧民街で拾った浮浪児だよ。母親に捨てられて、路頭に迷っていた浮浪児だったが、一目で才能を感じた。犯罪者としての才能をね。私が彼を一流の殺し屋に育て上げたんだよ。」
そこでふと、上の方へ向けていた視線をAに向ける。
「武器の扱いといいその身のこなしといい、君にも才能がありそうだが……」
「遠慮しておくよ。」
Aが肩を竦めてそう答えた。その答えを見越していたのか、モリアーティ教授が特に反応することは無かった。
「なんの罪もない女性達を殺害しているのは何故ですか?」
「ジャック・ザ・リッパーは、私の想像を超える殺人鬼になってしまった。1連の事件は、あの子の暴走だよ。君達がジャック・ザ・リッパーを捕まえようとしているなら……私も協力しようじゃないか。」
蘭の問いにモリアーティ教授はそう言った。彼の言葉に全員が驚く。
「ジャック・ザ・リッパーは確かに暴走し始めているが、私の指令を送れば、まだ従うはずだ。君達がそこに先回りすればいい。」
「どうやって?」
「明日のサンデータイムズの広告に、彼へのメッセージを載せる。」
「誰を殺せと命じるの?」
「明日の新聞を見ればわかる。」
コナンが問うも、モリアーティ教授にはそれ以上の情報は出すつもりは無いようだ。
「おい!信じるのか?この爺さんの言葉」
コナンとモリアーティ教授が睨み合っていると、諸星がコナンに近付きそう言った。
「賭けてみよう……」
「ふん……幸運を祈る。」
コナンの言葉に、モリアーティ教授は満足したようで馬車に乗り込んだ。
「3年後、ライヘンバッハの滝にご注意を。」
コナンがそう言うと、モリアーティ教授は不思議そうにしながらも馬車を出させ、去って行く。
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透(プロフ) - 白猫さん» ありがとうございます!続き気になりますか!?じゃあ更新てi((嘘ですごめんなさい“〇| ̄|_更新頑張りますっ! (2020年4月3日 17時) (レス) id: 290daac57c (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - とても面白いです!続きが気になるので更新頑張ってください! (2020年4月2日 16時) (レス) id: f53a1d45b5 (このIDを非表示/違反報告)
透(プロフ) - 斑鳩様コメありがとうございます。す、すごく好き!?マジですか頑張ります!! (2020年3月24日 20時) (レス) id: 290daac57c (このIDを非表示/違反報告)
斑鳩(プロフ) - すごく好きです!更新応援してます (2020年3月23日 19時) (レス) id: e4a4760cd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:透、恋 | 作成日時:2020年3月20日 17時