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「諦めな、立場が違うんだ。」

元太の呟きに、サッカーボールを持ち赤い服を着た少年が言った。

「そもそもお前ら、ちゃんと招待されてんのか?」

「失礼でしょ!この子達はれっきとしたうちの招待客よ!」

緑の服の少年の言葉に、園子が腰に手を当てそう言う。コナン達は鈴木財閥の招待で来ていたのだ。

「これはこれは……鈴木財閥のご令嬢。」

──菊川清一郎

「いいか、人間ってのはな生まれた時から人生が決まってるんだぜ。」

──諸星秀樹

「そうそう、綺麗な服も着る人間を選ぶってわけ。」

──江守晃

「選ばれなかった人間は、外から指をくわえて見てればいいんだよ。」

──滝沢進也

4人の少年達が口々にそう言った。

「生まれた時から、ねぇ……」

「うわぁ、絶対に関わりたくない部類の人間ね。」

蘭に言われ小五郎が少年達に説教をしている横で、Aと本好が呟く。

「おい、ミニゲームやろうぜ。」

手に持ったボールを足元に落とし、諸星がそう言って駆け出した。他の3人もそれに続く。

「ああいう子供達が親の仕事を継いで、これからの日本のリーダーになると思うと、未来は絶望的だな。」

「同感ね。」

コナンに灰原が同意した。

少年達が走っていった方から小さな悲鳴や騒めきが聞こえる。

「姉さん、ちょっとこれ持ってて。」

持っていたグラスを本好に押し付けるように渡し、Aは歩いていった。

「え、ちょ、止めなくていいの?」

横で萩原がそう言うが、それには答えずに本好はAの方を見る

「何すんだよ。」

「返せよ!」

先程の少年達がAに向かってそう言った。彼女の手にはサッカーボール。飛んできたボールをキャッチしたのだ。

「他の人の迷惑とか考えないのかい?」

「誰だよあんた。」

4人を見下ろしてそう言うAに諸星が問う。

「さあ、誰だろうね。」

ボールを指先で回しAは微笑む。

「俺達のこと知らないのか?楯突いたら……」

「おやおや、泣きつくならそれでもいいよ?」

江守の言葉を遮る。若干煽るような言い方のAは、微かに笑っていた。

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(プロフ) - 白猫さん» ありがとうございます!続き気になりますか!?じゃあ更新てi((嘘ですごめんなさい“〇| ̄|_更新頑張りますっ! (2020年4月3日 17時) (レス) id: 290daac57c (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - とても面白いです!続きが気になるので更新頑張ってください! (2020年4月2日 16時) (レス) id: f53a1d45b5 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 斑鳩様コメありがとうございます。す、すごく好き!?マジですか頑張ります!! (2020年3月24日 20時) (レス) id: 290daac57c (このIDを非表示/違反報告)
斑鳩(プロフ) - すごく好きです!更新応援してます (2020年3月23日 19時) (レス) id: e4a4760cd6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:透、恋 | 作成日時:2020年3月20日 17時

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