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爆発が起こったとき、松田は一瞬何が起きたのか解らなかった。

「っ!!……萩原!!萩原、聞こえるか!!」

爆発がマンションではなく上空で起きたと理解し、携帯電話の向こうにいるであろう人物に呼びかける。

〔まつ……だ……〕

「おい!!無事か!?……おい!!」

途切れながら自分の名前を呼んだその声に、爆発自体には巻き込まれていないと解っていながらも焦る。



「っ!!」

唯一間近で爆風を、正面から受けたAも無事だった。フードを押さえ、飛ばされないように耐える。いつの間にか魔法が解けていたが、フードで顔は見えていないはずだった。

そっと背後、爆風に巻き込まれた人達を窺う。全員の無事を確認すると、小さく唱えた。

「“テレポート”」

自らの家の玄関に瞬間移動(テレポート)すると、靴を脱いで寝室のベッドに倒れ込んだ。

「あー疲れた。今日起きた私偉い……」

そう言いながら、Aは眠りについた。



自分はここで死ぬのかと、萩原は走りながら一瞬そんなことを考えた。

(松田怒るだろうな。だから防護服着とけって言ったのに、とかな……)

その瞬間、萩原の横を彼より低い影が通り過ぎる。パリンと窓ガラスが割れる音に、響き渡る爆発音。

前からの思いがけない爆風に、萩原含め機動隊員全員が後ろに倒れる。

上体を起こし、正面、割れた窓の方を見ると──

(あ……)

──短めのマントを爆風に靡かせる人影があった。女性と解るシルエット、手首には金色の腕輪。僅かに振り返った彼女の目は赫々と輝いていた。

(あの子だ……AAちゃん……)

〔っ!!……萩原!!萩原、聞こえるか!!〕

落とした携帯電話から松田の声が聞こえる。手元に落ちていたそれを拾い上げ耳に当てる。

「まつ……だ……」

萩原の口からはそれしか出てこなかった。

〔おい!!無事か!?……おい!!〕

携帯電話から何度も名前を呼ぶ声がしたが、萩原はそれどころではなかった。

しかし彼女は、萩原が瞬きをしたその一瞬で姿を消した。まるで最初からそこにいなかったかのように。


──その後、萩原は駆けつけた松田に酷く怒られたとか。

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(プロフ) - ハル様、ありがとうございます!早速更新させて頂きました。早く本編入りたi(( (2020年3月10日 12時) (レス) id: 290daac57c (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 続き楽しみにしてます! (2020年3月9日 18時) (レス) id: dc375a48b4 (このIDを非表示/違反報告)
とーか(プロフ) - 氷水様、ありがとうございます!頑張らせていただきます!! (2020年3月5日 13時) (レス) id: 290daac57c (このIDを非表示/違反報告)
氷水(プロフ) - コメント失礼します。このすばは見たことはないのですが主人公ちゃんのキャラが好みですし、話の書き方も好きです。無理しない程度に更新頑張ってください! (2020年3月4日 17時) (レス) id: 4858e75997 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:透、恋 | 作成日時:2020年3月4日 0時

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