この紅魔族にトリップを! ページ1
《ひらがなさん、ようこそ死後の世界へ。貴女はつい先程、不幸にも2度目の死を迎えました。》
覚えのある感覚に見覚えのある空間。自らの死を理解したひらがなに、目の前の椅子に座る男が告げた。
男は中性的な顔立ちをしているものの声は低く、穏やかに微笑んでいる。
「あ、そうか。カズマは例外として、蘇生は1度きり……でしたね。」
《理解が早くて助かります。普段の口調でいいですよ。私はヴェリタス、真実を司る神です。》
ヴェリタスが名乗ると、ひらがなは首を傾げて問う。
「私達の担当は女神エリスじゃないのかい?」
《ええ、本来であれば貴女に選択肢を示すのは彼女の役目です。天国へ行くか生まれ直すかですね。》
ひらがなはヴェリタスを見つめ、静かに話を聞いていた。
《しかし、貴女には私からもう一つの選択肢を……いいえ、貴女にお願いがあります。私の管理している世界では、特定の街での死者数が非常に多いのですが……》
異常な程殺人事件が起こる都市、米花町。犯罪都市とも呼ばれるその街で死んだ人達は生まれ変わりを拒否する。生まれ変わるとしても別の場所、日本以外を望むものがほとんどだった。
「それで移民政策。他の世界から簡単には死ななそうな、その世界に行くことに抵抗が無さそうな魂を移動する、と。」
話を聞いたひらがなは、紅魔族特有の赤い瞳を爛々と輝かせた。異世界、それも死んだ人達が生まれ変わりたくないと言うほどの街。
《魔法は使えますが、その世界にはモンスターも魔法使いもいません。まあ、着の身着のまま飛ばしても面白くなさそうですし……何か1つだけ、出来る限りの望みを叶えましょう。どうです?》
「行くよ!!でも言語は?」
《安心してください、こちらで処理しておきます。向こうの世界では、貴女の家と戸籍……お金も用意しておきました。》
ヴェリタスの問いに勢い良く……食いつき気味に答える。するとパチンと指を鳴らし、ヴェリタスはひらがなに問いかけた。
《さて、望みは何ですか?》
ひらがなは悩む素振りを見せ、しばらくすると顔を上げ答えた。
「死んだ時に持っていたバッグの中身と杖を持って行きたいかな。」
《解りました……ですが杖は目立ちますし、そうですね……腕輪にでも変えて、なら良いですよ。バッグはそのまま貴女を送る家に移動しておきました。それでは行ってらっしゃい。貴女に世界の祝福があらんことを。》
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透(プロフ) - ハル様、ありがとうございます！早速更新させて頂きました。早く本編入りたi(( (2020年3月10日 12時) (
レス) id: 290daac57c (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2020年3月9日 18時) (レス) id: dc375a48b4 (このIDを非表示/違反報告)
とーか(プロフ) - 氷水様、ありがとうございます！頑張らせていただきます!! (2020年3月5日 13時) (レス) id: 290daac57c (このIDを非表示/違反報告)
氷水(プロフ) - コメント失礼します。このすばは見たことはないのですが主人公ちゃんのキャラが好みですし、話の書き方も好きです。無理しない程度に更新頑張ってください！ (2020年3月4日 17時) (レス) id: 4858e75997 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：透、恋 | 作成日時：2020年3月4日 0時
