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他愛のない話をして
何となく場が繋がって
心地良い緊張感で会話していたのだけれど
香水はまだ買えてない
という話題が途切れた時
それまで持っていたアイスコーヒーのグラスを
テーブルに置いたジミンが
「Aに話した事があると思うんだけど」
それまでとは少し違う雰囲気で
話し始めた事に気付く。
何処か憂いを帯びた横顔に
シルバーのピアスが揺れている。
「ずっと忘れられない人、がいるって。
覚えてる？」
「あ、うん。覚えてる。
花束くれた子の話。」
"そうそう"
と微笑んだジミンは私の好きなジミンだけど
その話をするジミンを好きだと思うのは苦しい。
それに今のこのタイミングで
この話をする事に
嫌な予感しかなかった。
呼吸が浅くなりそうになるのを
必死に取り繕って
アイスコーヒーで流し込む。
「その人、見つけたんだよね。
Aの言った通り、見つかった。」
ああ、
やっぱり。
全身から血の気が引いていく感覚。
末端は少し痺れてるような気さえした。
見つかるよ
そう励ましたのは私で
その時はその言葉に
嘘偽りは一つもなかった。
その時の気持ちは本物だったのに
今の私ときたら
"良かったね"の一言も出せないまま。
ジミンの顔が見れなくて
私は自分の手の中の
空になったグラスを見ていた。
「A」
その私の左手首に
ジミンの指が絡みつく。
人差し指と中指にシルバーの指輪が光っている。
その体温に思わず顔を上げてしまって
ジミンと目が合ってしまった。
「俺はどうしたらいいと思う？
他の誰かの物だとしても
諦められそうにないんだけど。」
私も
他の誰かの為のそんな言葉
ジミンから聞きたくなかった。
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のぐり(プロフ) - ぱんださん» ぱんださんありがとうございます。勿体ないくらいのお褒めの言葉励みになります！もう少し一緒にお付き合い下さいね！ (2021年8月14日 21時) (
レス) id: 0deac69280 (このIDを非表示/違反報告)
のぐり(プロフ) - ゆっぴさん» ゆっぴさんありがとうございます。読み返して頂けるなんてありがたいです！毎日少しずつ頑張ります！ (2021年8月14日 21時) (レス) id: 0deac69280 (このIDを非表示/違反報告)
のぐり(プロフ) - えまさん» えまさんありがとうございます。まだ続きますので最後までお付き合いして下さると嬉しいです！ (2021年8月14日 21時) (レス) id: 0deac69280 (このIDを非表示/違反報告)
ぱんだ(プロフ) - この後、ジミナに会えるのかな〜。もうすれ違ってほしくない。けど、お話もすごく入り込めちゃうくらい素敵な文章で終わってほしくないです。 (2021年8月14日 9時) (レス) id: 9aaf346f9c (このIDを非表示/違反報告)
ゆっぴ(プロフ) - のぐりさんの文章が大好きです。ジミンペンなので尚更ツボです！毎日読み返してはキュンキュンしています。更新楽しみにしていますね♪ (2021年8月14日 8時) (レス) id: 0750616c55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のぐり
| 作成日時：2021年8月8日 23時
