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「俺の誕生日の振替日なのに
まさかあいつのあんなセリフ聞くと思わなかった」
「あいつって言わないの。笑」
ケーキを準備する傍らで
ジミンがブツブツと小言を漏らす。
まだシャンパンは開けてないのに
悪態を吐くとは。
ジミンの言う通り
誕生日は結局何も出来なくて
今日はその振替日なのだ。
急な事で何も出来なかったし
何も無かったあの日。
全部ちょうだいなんて覆い被さるジミンを
完全に思い違いしていたのは私で
何もなくただ寝ただけ。
ジミンはすやすやと眠る横で
恥ずかしくて消えたいと思ったのは
自分の胸の中だけに閉まってある。
「A」
ブルーベリーソースのかかった
レアチーズケーキの横に
シャンパングラスを並べる。
私の家に似つかわしくないが仕方ない。
「何？あ、お腹空いたよね」
「や、違う、そうじゃなくて」
「え、じゃ何？寒い？暖房強くする？」
「いや、寒くないし
ちょっと話聞いて？笑」
ジミンが手でトントンとソファを叩くから
しかたなく私もそこに腰を下ろす。
まだ準備は完全に終わってないのに。
軽く咳払いをしたジミンが
"あのさ"と言いながら
膝の上に乗っていた私の手を握る。
「Aは知ってると思うけど
俺本当に寂しがり屋なの。」
何の話かと思えば。
手を止めてまで言う話では
ない気がするが
とりあえず"うん"と頷いてジミンを窺う。
「あと今日もそうだけど
凄い嫉妬深いし
職場は仕方ないと思うけど
ああいうのはちょっと無理。」
「だって今日はたまたま会っちゃったんだもん
しょうがな」
「でもあの最後の捨てゼリフ
聞き捨てならないよ？」
"俺のなのに"
と眉間に皺を寄せるジミン。
多分本当に聞き捨てならなかったのだろうけれど
しれっと吐いた甘いその台詞の方が
私にとってはダメージが大きかった。
良い意味で、だ。
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のぐり(プロフ) - pcmtpokさん» ありがとうございます。例え一人の人間として見ていてもジミン氏の魅力の前では少し怯んでしまう主人公にしたかったので、伝わってよかったです。最後まで読んで頂きありがとうございました😌 (2021年10月22日 22時) (
レス) id: 0deac69280 (このIDを非表示/違反報告)
のぐり(プロフ) - かこさん» ありがとうございます。数多くの人と出会っても自分が本当の自分でいられる人ってほんの一握りですよね。私も憧れる気持ちで主人公を描きました笑最後まで読んで頂きありがとうございました😌 (2021年10月22日 22時) (レス) id: 0deac69280 (このIDを非表示/違反報告)
pcmtpok(プロフ) - とても！、すきでした！！主人公の鈍感な感じと、恋心に気付いたけど相手が芸能人だから気持ちに蓋をする感じ…そしてジミンの闇から救うとか嫉妬深いところとかも全てすきでした… (2021年10月22日 5時) (レス) @page23 id: 3d87e6b98f (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - また素敵なお話ありがとうございました。女の子の空気感がとても好きです。私もそんな女性になりたいなぁ。とおもいながら読んでました。沢山の人と知り合っていく中で、本当に気楽に付き合える人って一握りですよね。そんなことを改めて感じました。お疲れ様でした！ (2021年10月20日 23時) (レス) @page22 id: 21092e6db4 (このIDを非表示/違反報告)
のぐり(プロフ) - Tentenさん» ありがとうございます。親戚の人のような気持ち分かります(笑)私も途中から我が子を見守る気持ちで書いてました。最後まで読んで頂きありがとうございました😌 (2021年10月20日 22時) (レス) id: 0deac69280 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のぐり
| 作成日時：2021年10月16日 0時
