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バスに乗らずタクシーに乗った。
それは私ではなくジミンが捕まえたタクシーで
タクシーに乗るや否やサングラスを外したジミンは
何処なのか分からない住所を運転手に告げた。
タクシーが走り始めたと同時に
前髪をバサバサと弄ったジミンは
少し大きな呼吸をして
「Aは俺が幸せだったら嬉しい？」
唐突だ。
でもこれは"いつものジミン"で間違いない。
ただ一つ違う点はまだ手を繋いだままという事だが
離せない私も悪い。
「そりゃ…そうでしょ。
誰だって好きな人には
幸せでいて欲しいでしょ。
あ、これまた言うけど変な意味じゃないからね。」
「俺が笑ってたらいいなって思う？」
「うん。私以外だって普通はそう思うよ。」
「好きな人とって、恋愛的な意味で言ったの？」
「んー…色んな好きな人って意味。
友達でも親でも、恋愛的な意味でも。」
漢江を跨ぐ橋のライトがジミンを
キラキラと照らしている。
そんなジミンがまた前髪をかき上げると
"ふぅん"と小さく頷いて
「Aの好きな人は誰？」
上手い具合に肘の置き場を見つけると
頬杖をついてまた質問。
ジミンの聞き方はおかしい。
好きな人がいる前提なのだ。
確かにそれは間違いないのだけれど
一体何を思って聞いてるのか。
だってもしかしてジミンが知らない人間の可能性だって
あるかもしれないのに。
その場合ジミンに話したって
分かるはずないのに。
鋭く際どい質問たら裏腹に
ジミンは今まで見たどの時よりも
穏やかな表情で
「…誰だろうね。
ジミニは知らない人かもね。」
半分緊張しながらも
ジミンの目を見て全力で濁す。
二度目の"ふぅん"が聞こえたのはすぐで
ジミンの良い笑顔が私を真っ直ぐ見つめていた。
もうすぐ橋を渡り切る頃。
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のぐり(プロフ) - pcmtpokさん» ありがとうございます。例え一人の人間として見ていてもジミン氏の魅力の前では少し怯んでしまう主人公にしたかったので、伝わってよかったです。最後まで読んで頂きありがとうございました😌 (2021年10月22日 22時) (
レス) id: 0deac69280 (このIDを非表示/違反報告)
のぐり(プロフ) - かこさん» ありがとうございます。数多くの人と出会っても自分が本当の自分でいられる人ってほんの一握りですよね。私も憧れる気持ちで主人公を描きました笑最後まで読んで頂きありがとうございました😌 (2021年10月22日 22時) (レス) id: 0deac69280 (このIDを非表示/違反報告)
pcmtpok(プロフ) - とても！、すきでした！！主人公の鈍感な感じと、恋心に気付いたけど相手が芸能人だから気持ちに蓋をする感じ…そしてジミンの闇から救うとか嫉妬深いところとかも全てすきでした… (2021年10月22日 5時) (レス) @page23 id: 3d87e6b98f (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - また素敵なお話ありがとうございました。女の子の空気感がとても好きです。私もそんな女性になりたいなぁ。とおもいながら読んでました。沢山の人と知り合っていく中で、本当に気楽に付き合える人って一握りですよね。そんなことを改めて感じました。お疲れ様でした！ (2021年10月20日 23時) (レス) @page22 id: 21092e6db4 (このIDを非表示/違反報告)
のぐり(プロフ) - Tentenさん» ありがとうございます。親戚の人のような気持ち分かります(笑)私も途中から我が子を見守る気持ちで書いてました。最後まで読んで頂きありがとうございました😌 (2021年10月20日 22時) (レス) id: 0deac69280 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のぐり
| 作成日時：2021年10月16日 0時
