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身長はそう高くないとしても
スタイルの良さとか持ち物のスペックとか
いくらでもヒントはあった。
仕方なく準備した二人分の朝食は
見栄を張ってフレンチトーストなんかにしてしまったが
それをテーブルに置いたところで
テレビ画面によく似たアイドルが映って
「やっぱりそうだよね？！」
どう見てもジミンでしかないそれに
大きな独り言をぶつけると
「何がやっぱりそうなの？」
頭にタオルを乗せた張本人から
それに対するコメントが飛んできて
訳が分からなくなる。
とんでもない人を家に入れてしまった
という別方向からの後悔に
今更ハラハラし出したが
テレビを見て何かを悟ったジミンは
「気付いてなかったとか？」
ラグの上に胡座をかいて
的確に私の戸惑いを当てる。
「だってまさか本人がいるとは…
しかも私あんまり普段テレビ観ないから。
いや、知ってはいるけどね勿論。」
「テレビ観なかったら何観るの？」
「映画好きだから映画かな。
プロジェクター買ったからそれで」
「えっ、本格的じゃん！
ていうか美味しそ。」
昨日といい今日といい
ジミンの饒舌は時間を選ばない上。
フレンチトーストの匂いを嗅ぐ横顔は
ジミンでありながら
テレビのジミンとは別人に見える。
「そんなので良ければ、
どうぞお食べて下さい。」
二つ分のコーヒーを淹れてる私と
"いただきます"と遠慮なく
フレンチトーストを頬張ったジミン。
そしてテレビの中で軽快なダンスを披露する
もう一人のジミン。
こんな不思議な朝が
たった一個の落とし物から始まるなんて
誰が予想できただろう。
「美味しい。」
頬を膨らませてこっちを見てそう言ったジミンは
捨て猫というより子供みたいだ。
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のぐり(プロフ) - あいさん» ありがとうございます。好きだと思って貰える物が書けているだけで嬉しいです。ぜひ最後までお付き合い下さいね😌 (2021年10月14日 22時) (
レス) id: 0deac69280 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 主人公とジミンの友達とも恋人とも定義できないもどかしい距離感や心境の細かな変化が切なくてとても引き込まれます。今とても好きなお話の一つです。これからも楽しみにしてます。 (2021年10月14日 1時) (レス) id: b63ed12e8b (このIDを非表示/違反報告)
のぐり(プロフ) - つさん» ありがとうございます。心が軋むってそんな表現をして貰えるとは本当ありがたいです。良ければ最後までお付き合い頂けると嬉しいです😌 (2021年10月11日 17時) (レス) id: 0deac69280 (このIDを非表示/違反報告)
つ(プロフ) - のぐりさんのお話いつも楽しく読ませていただいてます。登場人物の行動や言葉が気持ちを物語っていて、その表現にいつも引き込まれています。このお話もジミンの一挙手一投足が苦くて悩ましくて心が軋みます。これからも応援しています。 (2021年10月11日 0時) (レス) id: 208f288d8d (このIDを非表示/違反報告)
のぐり(プロフ) - かこさん» ありがとうございます。拙い文章ではありますが、そう言って貰えると本当に嬉しいです！最後までお付き合い下さいね😌 (2021年10月6日 21時) (レス) id: 0deac69280 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のぐり
| 作成日時：2021年10月6日 0時
