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"おかしい"と思う度に
"気のせい"と思ってやり過ごした。
少しずつ連絡の頻度が減り
少しずつ態度が変わり
少しずつ目が合わなくなり
"おかしい"が確信に変わったのは
街中で偶然彼を見かけた時で
同期仲間の一人と手を繋いでいた。
勿論問い詰めた。
彼は"ごめん"と頭を下げて
もう滅多に繋がった手を握ってくれる
そう思った。
「最初はAが良かったけど
今は◯が良く見えるから仕方ない。」
「結婚するって言った方が
嬉しいでしょ？」
彼が何を言ってるか分からなかった。
だからまた問い詰めた。
泣いて縋るなんてドラマじみた行動じゃないけれど
好きだと言ったのは何だったのかと。
そしたら彼はただ呆れた様に溜息を吐いて
「よく考えて。
俺が一回でも本当に好きって言った？」
半笑いでそう吐き捨てた時
何も言えなくなった。
だって彼は確かに一度も
私に直接"好き"なんて言わなかった。
付き合う前も付き合う時も
同じベッドで寝てる時さえ。
衝撃的だったけれど
真実だから何も言えなかった。
ただ無意味な指輪が薬指にあって
無意味な3年だったのだ。
間抜けの殻のようになった。
それでも会社には行かなきゃいけなくて
重い足取りでいつも通り会社に向かって
私は自分に向けられてる視線の違いに気付いた。
忘れもしない週末明けの雨が降る月曜日。
「ねぇ、◯さんって◯と付き合ってるのに
Aが◯さんにしつこく付き纏ってるって」
「あの指輪、自分で勝手に買ってはめて
◯さんと付き合ってるって妄想してるらしいよ」
「こないだ◯さんAに待ち伏せされたって！
怖いよね」
聞こえる社内の声は
全て捻じ曲げられた現実だった。
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なる - すばらしい！こんなのが読みたかった！堪能しました。ありがとう (2021年11月17日 1時) (
レス) @page42 id: 3ec18fd7b6 (このIDを非表示/違反報告)
なる - すばらしい！こんなのが読みたかった！堪能しました。ありとあらゆる (2021年11月17日 1時) (レス) @page42 id: 3ec18fd7b6 (このIDを非表示/違反報告)
のぐり(プロフ) - Tomoさん» ありがとうございます。何度も読み返して頂ける様な作品になって私も嬉しいです。続く未来は読者様の考えにお任せという事で！笑 (2021年10月5日 22時) (レス) id: 0deac69280 (このIDを非表示/違反報告)
のぐり(プロフ) - みことさん» ありがとうございます。本当は書かずに終わろうと思ったのですが、やっぱり幸せな二人も見ないとという事で足しました！ (2021年10月5日 22時) (レス) id: 0deac69280 (このIDを非表示/違反報告)
のぐり(プロフ) - hさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。ジミン氏もそう言って貰えて本望だと思います(笑) (2021年10月5日 22時) (レス) id: 0deac69280 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のぐり
| 作成日時：2021年9月29日 0時
