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Aの背中が微かに震えてる気がした。
でもAの言う通り
俺は勝手だ。
「帰って、もう来ないで」
Aは俺から遠ざかって俺を見ないまま
そう冷たい言葉を言い続けた。
流石にかなり傷付く。
でもきっとあの頃、あの時
Aは今以上に傷付いたはず。
Aに別れを告げて
玄関を出た後
ショックでその場から動けなくて
引き返して抱き締めたいのを
拳を握る力で押し殺して耐えた。
そしたら
ドアを隔てた向こう側から
Aの泣く声が聞こえたのだ。
どちらかと言うと気丈で
いつも明るくて泣いた事なんか見た事なかった。
そのAがすぐそこで
声を上げて泣いている。
泣かせてしまった。
自分より大事で
一番傷付けたくない相手を
自分の手で傷付けて泣かせた。
「ごめん、分かってる。
俺が勝手な事は分かってる、けど…」
あの時もこうやって謝る事しか出来なくて
今もAの小さな背中に
手も伸ばせないまま
またここで終わらせるつもりなのか。
いやーーー
「…勝手でもいい、怒ってもいいから
そっち向かないで。」
あの頃と同じ気持ちだけど
あの頃と違う手でAの肩に触れた。
少しだけ揺れた小さな肩から
じわりとAの体温が伝わって
俺の手が緊張して
Aが振り向きかけた。
「あ、こないだのイケメン君？」
店のドアが開くのと同時に
ヨンスがそう声を発した。
こないだとは違うスーツに身を包んでいても
何故か微笑んでるその顔は
やっぱり狐にそっくりだった。
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のぐり(プロフ) - 万さん» ありがとうございます。キュンとして頂けただけでもう嬉しい限りです。最後まで読んで頂きありがとうございました😌 (2021年10月20日 22時) (
レス) id: 0deac69280 (このIDを非表示/違反報告)
万(プロフ) - こんにちは。とても素敵なお話で切なさとキュンのバランスがすごく心地よかったです！他の作品も見てみます✨これからも楽しみにしております。 (2021年10月19日 17時) (レス) @page47 id: cc237cd121 (このIDを非表示/違反報告)
のぐり(プロフ) - おんすさん» ２つもありがとうございます😌ご丁寧に書いていただいて感謝の一言に尽きます！書いて良かったと思えます。ありがとうございます。 (2021年10月11日 17時) (レス) id: 0deac69280 (このIDを非表示/違反報告)
おんす(プロフ) - 言葉が足らないと思いまして、連投失礼します。この作品を読んで、様々な情景が頭の中でイメージしやすかった！と伝えたかったです。本当に素晴らしかったです！ (2021年10月8日 20時) (レス) id: bf65e7d681 (このIDを非表示/違反報告)
おんす(プロフ) - とても素敵でした！文章を読んで、頭の中に登場人物の様子や風景、花の雰囲気などがイメージ出来るのってそう簡単には出来ないと思います。読んでいてとても心地よかったです。定期的に読みに戻ってこようと思います！ (2021年10月8日 20時) (レス) @page47 id: bf65e7d681 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のぐり
| 作成日時：2021年9月10日 23時
