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昼間雨に濡れたせいか
Aの髪は変にクセがついていて
歩く度にそれが揺れていた。
「これ」
そうとなればと思い出して
自分が着ていたシャツをAに差し出す。
遅すぎるけれども
しないよりはマシ。
「え？何？私別に寒くないよ？」
「そのシャツ今日雨に濡れたやつでしょ？
これなら濡れてないし、それより分厚いから。」
「えーいいよー。
ジョングギが寒くなるじゃん。」
何処までもかっこつけさせてくれないAは
俺から少し離れる動作までして大袈裟。
一度出した服を引っ込める訳にもいかなくて
"寒くないから"
とだけ言って半ば強引にAの肩に掛けた。
男の俺でもオーバーサイズなそれは
Aが羽織ると膝のすぐ上辺りの長さで
自分よりずっと小さかったと再認識した。
元カレと元カノなんて
既に終わった関係なわけで
ムードもへったくれもない
その通りにたまたまあった食堂に入る。
ソルロンタンと餃子と焼酎を2本。
あっという間に届いた焼酎を
Aが慣れた手つきで開ける。
「結構飲むの？」
見た事のないその姿に
思わず素直な質問が口を吐く。
「まぁ、嗜む程度には。」
「何それ。笑
そんな濁す必要ないじゃん。」
「濁してないじゃん。
そのままの意味だよ。」
含みを込めた言い方をしたAが
グラスに注ぎながら笑う。
お洒落な店じゃなくて
ここに来て良かったのかもと
お互いのグラスをぶつけた時に思った。
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のぐり(プロフ) - 万さん» ありがとうございます。キュンとして頂けただけでもう嬉しい限りです。最後まで読んで頂きありがとうございました😌 (2021年10月20日 22時) (
レス) id: 0deac69280 (このIDを非表示/違反報告)
万(プロフ) - こんにちは。とても素敵なお話で切なさとキュンのバランスがすごく心地よかったです！他の作品も見てみます✨これからも楽しみにしております。 (2021年10月19日 17時) (レス) @page47 id: cc237cd121 (このIDを非表示/違反報告)
のぐり(プロフ) - おんすさん» ２つもありがとうございます😌ご丁寧に書いていただいて感謝の一言に尽きます！書いて良かったと思えます。ありがとうございます。 (2021年10月11日 17時) (レス) id: 0deac69280 (このIDを非表示/違反報告)
おんす(プロフ) - 言葉が足らないと思いまして、連投失礼します。この作品を読んで、様々な情景が頭の中でイメージしやすかった！と伝えたかったです。本当に素晴らしかったです！ (2021年10月8日 20時) (レス) id: bf65e7d681 (このIDを非表示/違反報告)
おんす(プロフ) - とても素敵でした！文章を読んで、頭の中に登場人物の様子や風景、花の雰囲気などがイメージ出来るのってそう簡単には出来ないと思います。読んでいてとても心地よかったです。定期的に読みに戻ってこようと思います！ (2021年10月8日 20時) (レス) @page47 id: bf65e7d681 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のぐり
| 作成日時：2021年9月10日 23時
