-76 ページ26
.
「先に戻って。
一緒に行ったら変だと思われるから。」
トイレの前で手を離したジョングクは
いつもと同じジョングクに戻っていた。
私が先に戻ったら
ジョングクはハユルの所に行くのだろうか。
そんな考えが浮かんだら
一度背を向けたジョングクに振り返って
"行って"とジェスチャーするその手を
初めて私から握った。
「一方的にじゃないから。
ずるいし最低だけど、
違うから、ね。」
そして私に言える
精一杯の言葉と一緒に
大きなその手を強く握った。
ジョングクの大きな瞳が一瞬揺れた跡
ふっと軽く綺麗に笑って
「何それ。
可愛い事言うねヌナ。」
とジョングク耳が少し赤い気がした。
でもそれは私も同じで
"可愛い"なんてジョングクに言われて
照れない人間はいないだろう。
お互い握った手をゆっくり離して
私は今度こそジミンの元へ戻る。
そっか。
私はハユルに嫉妬したんだ。
ジョングクは私のだと
釘を打ちたかったんだ。
ハユルの元にジョングクが行って
わたしがいない隙に
何かあったらなんて
考えたくなかったのだ。
「A！大丈夫？」
私の姿が見えるなり
ジミンが心配そうな表情で
私を迎えてくれて胸が痛む。
「大丈夫。ちょっとお腹痛かっただけ。」
いつかのジョングクと同じ
嘘をジミンに淡々と吐く。
そして何より目の前に足りないジョングクを
「ジョングギはどこ行ったの？」
気にする言葉まで出てくる。
ジミンごめんなさい。
私はジミンの事が好き。
それは絶対に揺るがない。
でもそれと同じくらい
ジョングクの事も好きになってしまった。
他の誰かに取られたくない。
ジミンもジョングクも。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 722人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
のぐり(プロフ) - みぃ☆さん» ありがとうございます。なんと予想してた方がいたなんて感動です！(笑)こちらこそ最後までありがとうございました。 (2021年9月11日 21時) (
レス) id: 0deac69280 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ☆(プロフ) - 完結お疲れ様でした！ 今まで読んだことの無いタイプのエンディングを迎えていてドキドキしながら楽しませていただきました！ もしかしてお互い知ってるんじゃ…そう途中からソワソワしながら読んでいました。笑 ありがとうございました^^ (2021年9月11日 21時) (レス) id: 8a20d7ee05 (このIDを非表示/違反報告)
のぐり(プロフ) - かんなぎさん» ありがとうございます。いえ！、むしろこちらこそそう言って頂けて感謝です！最後までありがとうございました。 (2021年9月11日 21時) (レス) id: 0deac69280 (このIDを非表示/違反報告)
かんなぎ - 完結お疲れ様です、！愛の美しさといい、いたずら心といい戸惑いといい、なにもかもに胸がいっぱいになる作品でした。素敵な作品に出会えて感謝です！ (2021年9月11日 13時) (レス) id: dbaac0d8ef (このIDを非表示/違反報告)
のぐり(プロフ) - あやたさん» ありがとうございます。今後の主人公ちゃんは私自身も気になるところです(笑)最後までお付き合いくださってありがとうございました。 (2021年9月10日 20時) (レス) id: 0deac69280 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：のぐり
| 作成日時：2021年9月3日 22時
