しみじみと ページ7
・
「こんにちはー」
重たい体育館の扉を開けながら、叫ぶという程でもないくらいの音量で挨拶をする。
大きい声、とまではいかないからか、こちらに挨拶を返してくるのはちらほらと少ない。
まあ当然か、と特に何も思うことなく、扉を閉める
「･･あっ」
視界に入った人物の姿に、小さく声をあげる
先程、更衣室に行く自分と同じタイミングで部室に入っていった山形先輩が、既に体育館の隅の方でストレッチをしていた。
流石、レギュラーにも入る人となればは、普段の準備する速さから違うよね。
と、今更ながらに感心する。
･･と。
「Aか。遅かったな」
不意に落ち着いたトーンの声が前方から。
見れば、額に汗を浮かばせた獅音先輩が、こちらに優しく微笑みかけていた。
「あ、こんにちは！えっと、今日は日直だったもので･･」
あはは、と私が意味もなく笑えば、そうか、と小さく頷いたその人
「大変だったな。お疲れ」
そう言って、人の良さそうな笑顔を残して、獅音先輩はコートに戻っていく。
「･･あんなお兄ちゃん欲しいな･･」
ボソ、と呟いたそれに嘘はない。
多分、ああいう人を見たら、誰だってそう思ったりすると思う。一人っ子である私は、尚更兄弟に憧れているのかもしれない。
なんて、しみじみと考えていると、「クラァッ！！」と怒鳴り声が聞こえた。
「A！！いつまでそこでつっ立ってんだァ！！！」
「うわあああごめんなさい今動きますゥゥ！！！」
あの人すぐ怒るよね、とか馬鹿馬鹿しく考えながらも、私を怒鳴る鷲匠先生の声が大きすぎて、つられて大きな声をだしてしまう。
先生、あんなでっかい声出し続けたら寿命縮むんじゃないかな。
なんて、言ったら多分ブッ飛ばされるだろうけど。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 676人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きゆ＊Known(プロフ) - 更新頑張って下さい、！応援してます( ´・∀・｀) (2017年3月22日 18時) (
レス) id: 80c755237e (このIDを非表示/違反報告)
yuiko - 夢主のイメ画めっちゃうまくないですか!!可愛すぎ(>_<)更新頑張ってください (2016年11月25日 20時) (レス) id: 705e52c1a3 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - 私もアニメ見てニヤけてしまいました…/// (2016年11月7日 21時) (レス) id: a4c5e7b839 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - 夢主ちゃんかわいい…! (2016年11月7日 21時) (レス) id: a4c5e7b839 (このIDを非表示/違反報告)
炎天下 - マジ共感……!!!天童の『今日の俺……120点…!』はヤバくて発狂しそーになりましたよww更新がんば！！ (2016年10月27日 23時) (レス) id: dcd919b9c6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：和花(のどか)
| 作成日時：2016年9月18日 16時
